法律のいろは

こんな理由で離婚できるのでしょうか(その⑨)?

2013年11月16日 更新 

 家庭裁判所での調停を含めた話し合いで,離婚するかどうか決着がつかなかった場合,離婚裁判で決着を図ることになるのは,これまで何度か触れてきました。今回は,親族との折り合いが悪い場合はどうなるのかという点を触れていきます。

 

 離婚裁判で,離婚を求める場合には法律上の離婚原因があるかどうかが問題となってきます。親族との折り合いが悪いことや他の事情から,夫婦関係が修復できないといえれば,離婚原因有りとなります。問題は,どういう場合が他の事情等に当たるかです。

 そもそも,親族との折り合いが悪いというその内容が問題になります。話としては,世間でいうところの嫁姑問題がひどく,嫁いびりがある・夫あるいは妻の親が夫婦関係にしつこく介入してくる等色々なものが考えられます。この内容によって,夫婦関係にどのような影響を与えたのかも当然変わってきます。

 こうした親族との折り合いの悪いことに,他方の配偶者がどんな態度をとったかも大きな要素として問題になってきます。あくまでも,夫婦関係の当事者は夫婦それぞれですから。先ほどあげた例で言えば,姑による嫁いびりがある状況で,妻が夫に対応してほしいと言っても何もしてくれない・夫が自分の親である姑の方を持ち,積極的に嫁いびりを助長させる等の事情が出てくれば,夫婦関係への影響は相当大きくなっていきます。もちろん,時間の経過とともに,不和が大きくなってきたか等の要因も関係していきます。

 

 どういった事情があれば,確実に夫婦関係が修復困難かは必ずしもはっきりしません。あくまでもケースごとの事情によるからです。先ほどの姑の嫁いびり一つとっても,どのような内容の「嫁いびり」が存在したのか・具体的にどのようなエピソード(出来事)があったのかによって変わってきますし,そうした出来事はケースによって変わってきます。

 ただし,姑による嫁いびり等が存在する場合に,夫が何もせずにいたことで夫婦関係に影響が出た場合には,その程度によっては夫婦関係が修復困難と判断されることがある点には,注意が必要です。少し話が変わりますが,裁判例の中には,不和を作った親族(親)と相手方配偶者が夫婦関係を修復したいという思いが強い場合に,夫婦関係の修復がまだ可能と判断して,離婚請求を認めなかった例もあります。夫婦関係を修復させようという意思が強い例はあまりないかもしれませんが,夫婦関係が修復困難かを考える上で一つのポイントとなる点は頭の片隅に置いておいた方がいいように思われます。

 

 次回に続きます。

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