法律のいろは

裁判離婚について(その⑤)

2014年1月28日 更新 

 前回は、すでに離婚の裁判を起こされている場合、自分も相手と離婚をしたい場合には、その裁判の中で自分も離婚の請求を行うことができ、これは一般の民事裁判よりも広く行うことができるなど、お話しました。

 今回もそれと若干関係あるお話をしていきます。

○ 結婚するにあたって、相手から「結婚したら妻は家にいて家事をやるもの」などと強く言われて、仕事を辞めてしまった。

  けれども、結婚後短い期間で夫婦生活が破たん。こんなことなら仕事を辞めなかったのに…。もし仕事を今でも続けていれば退職まで得られたはずの給与額相当分を請求したいのですが。

 

  こういったケースの場合、結婚生活が破たんに至った原因についての慰謝料請求(離婚慰謝料)とは別に、本来結婚しなければそのまま仕事を続けられた、退職までの期間の給与相当額を払ってほしい、という話ですので、本来は離婚に関する裁判とは別に、相手の違法な言動(脅されたなど)により、やむなく退職せざるをえなくなったことへの損害賠償請求を起こす必要があります。

  ただ、そもそも仕事を辞めるに至ったのが相手方に強い口調で言われたからであり、同じ理由(相手方の性格のきつさ)で結局のところ離婚に至ったというのであれば、離婚裁判と合わせて、退職をせざるをえなくなったことへの損害賠償請求を相手方に起こすことができます。

  上のケースはやや特殊ですが、よくあるのが、DVが原因で離婚をすることになった、そのDVにより怪我をしたことへの損害賠償請求をしたい、あるいは、相手方の不貞行為・浮気が発覚して離婚に至った、相手方に離婚請求とともに、不貞行為・浮 気についての慰謝料請求をしたいという場合、離婚裁判とあわせて行うことができます。

  また、先に離婚の裁判を起こし、その後DVや不貞行為・浮気を理由に損害賠償請求を起こしたい、という場合にも、先の離婚裁判とあわせて行うことができます。

  これらの規定も、離婚事件のような、身分関係に関する事柄について、あちこちに裁判が起こされ、バラバラに判断されるよりも(その場合、判断自体も統一的にならない可能性があります)、同じ案件でくくれる場合には一体的に判断するとしたほうが、より紛争解決につながるという考えに基づくといえます。

 

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