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内縁の配偶者が亡くなったら,どうなるの(その⑤)?

2014年2月1日 更新 

 内縁の相手方が亡くなった場合に,住んでいた家に引き続き住めるのかは大きな問題です。昨日はこの問題のうち,亡くなった相手方名義で借りていた場合の話に触れました。そのうえで,相手方名義の家があった場合,その家に住み続けられるかに関して,裁判例の紹介の途中まで述べました。今回はその続きからです。

 

 簡単にどんなケースであったのかを再度確認します。内縁の相手方とその相手方名義の家で女性が相手方と同居してきたのですが,相手方(男性)が亡くなりました。その死後に,相手方の娘(相手方の相続人)から相手方名義の家を出て行くように求められたケースです。

 昨日も触れましたように,女性が家に住み続けるには,男性から家を借りるなど住み続ける根拠が必要となります。子の根拠がない場合には,相続人の請求が濫用的なものだから許すべきではないと求めることになります。通常,内縁の状況で同居している際に,はっきりと,いつまで住んでいていいという約束(無料で貸すという約束)があるわけではない事が多いと思われます。そうした中でそういう約束があったと評価できるかどうかが問題となってきます。

 

 この問題に関して,高等裁判所では約束があったと評価したものの,第1審では約束があったとは評価できないとの判断をしています。はっきりした約束があったとはいえない状況なので,それにもかかわらず約束があったと評価するにはそれなりの事情が必要になってきます。この点が判断の分かれ目だったように思われます。

 

 高等裁判所が判断の基礎に認めた事情は次のものです。女性側が内縁の相手方と内縁等の関係を40年近く過ごしていたこと・経済的に女性が内縁の相手方に依拠していた(女性に十分な経済的基盤がない)こと・内縁の相手方が親族に亡くなった際には自分の家を女性にやって終生住ませたいと話していたこと・相続人が女性に悪い感情を持っていたこと。

 こうした事情を理由として,内縁の相手方が女性が亡くなるまでタダで自分名義の家に住ませたいと考えていて,女性側にも断る理由がないから,無料で貸す役職がなされていたと評価できると判断しています。

  内縁の相手方が何度も女性側に自分名義の家をあげたいと述べていたことをも挙げていますので,内縁の相手方であれば当然に家を出て行ってほしいとの請求を拒むことができるわけではない点には注意が必要です。ちなみに,第1審では相続人の請求が濫用的だったとの理由で明渡を認めていないので結論は同じですが,濫用的かどうかは事情によりますので,いずれにしても当然に請求を拒むことができるわけではないのには注意が必要と思われます。

 

 ケースごとの事情に夜かと思いますので,一番いいのは遺言書の作成などで事前に紛争の目を抑えるようにする方がいいかもしれません。次回に続きます。

 

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