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財産分与と詐害行為取消(1)

2014年3月17日 更新 

 「詐害行為取消」と言われても聞きなれない言葉ではないかと思います。この「詐害行為取消」というのは、債権を有する債権者が債務者から債権回収をする対象財産を確保するための一つです。

 債権というのは、原則として債権者・債務者の間で効力を持つものであり、第三者にまで及ばない(請求・主張できない)のが原則になります。ただ、債務者に十分財産がなくて、債権者がこのままだと回収ができない、そのため自分の債権を回収できるようにする必要がある場合で、債務者がその資産を流出してしまったときは、債権者は債務者が行った行為を取り消すよう請求できます。

 これが「詐害行為取消」というものです。

 本来は債務者が自分の資産をどのように処分するかは自由に決めることができるはずですが、債権者の保護のために例外的に債務者の資産の処分に制限をかけるというものですから、「詐害行為取消」が認められるための要件や手続きは厳しく制限されています。

 具体的な要件としては、①「詐害行為」があること、②債権者を害する意思(「詐害意思」、一般的には債権者を害する認識があればよいとされていますが、「詐害行為」との関係で場合によっては債権者を害する意思が必要とするのが判例)③「詐害行為」がなされたときに保全されるべき債権があること④債務者に資産がない状態であること、という要件を満たす必要があって、手続きも裁判での取り消しを求める手続きによると定められています。

 この、具体的な要件それぞれについて、どういった内容のものかが議論されているところですが、ここでは立ち入りません。

 ただ、要件のうち、①「詐害行為」があることが必要とされていることとの関係で、財産分与をすることが「詐害行為」にあたるのかが問題となってくるのです。

 たとえば、多額の借金を負っている夫が、離婚をするにあたって、財産分与としてほぼ唯一といえる不動産を妻に譲渡した、こういった場合が考えられます。このようなとき、債権者がその財産分与について、「詐害行為」にあたるとして取消できるのでししょうか。

 今回はそういった問題に入る前の前置きで終わってしまいましたが、次回に続きます。

 

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