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夫婦でした契約は取消できるのですか?

2014年3月22日 更新 

  夫婦が離婚、という話になった場合、その間に家を購入したときの資金の一部を親から借りていた、その清算をどうするかといったことがしばしば問題になってきます。

 夫婦の間で交わしていた契約についても同様です。

 ただ、夫婦の間での契約は、法律上、結婚中であればいつでも取消ができると定められています。なぜそういった定めがなされているかというと、①夫婦の間では情に流されて契約を交わしていることが多いので、自由な意思で契約を結んでいない可能性がある、②夫婦の間で交わした契約に法的拘束力があるとして、裁判で判断できるようにしてしまうと、かえって家庭内の平和が乱れる、ということが考えられています。

 この、「契約」にあたるものには制限がなく、すべての契約を含むと考えられています。また、取消権は消滅時効にならず、契約の履行前・後いずれでも取り消すことができます。

 それではたとえば夫婦仲がこじれたあと、一方が署名・押印をした離婚届と、他方に自分の不動産を贈与するという内容の書面を置いて出ていったあと、離婚届を出した相手方が不動産の名義変更をしようとしたとき、あの書面の内容(不動産の贈与)は取り消した、と主張できるでしょうか?

 こういった、夫婦関係がこじれたあと、一方が不動産を贈与するという意思表示は、夫婦間で築いた財産を清算する、つまり財産分与の意思表示でなされるのが一般でしょう。このように夫婦間がこじれてしまっている以上、もはや保護に値する家庭内の平和は存在しないといえますし、むしろ他方の利益保護の必要性もあるでしょう。

 判例でも、離婚と一緒になされた贈与契約は、実質的には財産分与と同じようなものであり、結婚生活がだめになったあとにされた契約は取消できないと判断しています。

 また、結婚生活がだめになる前に交わした契約についても、「婚姻中(結婚中)」という要件は、形式的にも実質的にも結婚がしていることを意味する、として、だめになったあとでの取消を制限しています。

 夫婦間での契約は結婚期間中は自由に取消できるといっても、関係が悪化したときは上記のように制限されますから、いくら夫婦の間といっても、慎重に契約を交わすようにした方がいいでしょう。

 

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