法律のいろは

子供との面会交流(離婚の前後)その⑮

2014年3月31日 更新 

 子供を現に養育監護していない親にとっては,子供と会いたいという気持ちは強いのではないでしょうか?最近の裁判所の傾向からは,子供の成長にとっては,基本的には子供と子供を養育監護していない親との面会は重要だということが言えるのではないかと思います。面会交流はとかく親の視点から語られることが多いですが,あくまでも子供の成長という点から考えていくのが基本線と考えられていることには注意したいところです。

 

 面会交流が問題になるケースでは「子供が合いたくないと言っている」という話や養育費とのバーターであると考える傾向にある方を見かけるとよく言われています。また,特に相手(養育監護している親)への対抗心から,子供との面会を主張する方もいると言われています。たしかにそういう方もいるかもしれません。

 このうち,「子供が合いたくないと言っている」というのは,子供を養育監護している親からの発言といえますが,その理由が何なのかが重要になります。子供の成長のための面会交流だから,会いたくないのであれば成長にとってもマイナスという考えもありえるところです。養育監護している親にとって,特に離婚前で親権が争いになっていれば,面会交流は大きなストレスになるところです。とはいえ,子供が幼いのであれば,大人が責任をもって決めるべきこと,問題となる事情があればそれをどう取り除いていくのかがポイントになってくるところだと思われます。

 ですから,単に「子供が会いたくない」といえばいいというものでもありません。もちろん,子供に暴力をふるうとかあまりに強いストレスを与える場合には,そのことをはっきり言った上で断るというのも考えられるところっです。

 

 次に,相手への対抗心から面会交流を求めることは,監護している親からの不信感を招くこともありえます。子供に本当に関心をもっているのかどうかというのが大きな点です。こういった場合は,面会交流が間接的なもの(手紙のやり取りや学校行事参加など)になる可能性もありますし,話し合いも難航しかねません。ですから,相手への対抗心からの面会交流を求めることは問題が出てきかねない点には注意すべきです。

 関連して,養育費とのバーターという話は,以前も触れましたように,バーター関係にはありません。こうした話をしても,話が難航する恐れが強いです。

 

 面会交流は難しい問題を起こすことがありますが,子供の成長にとってどうするのがいいのかをよく考える必要があります。

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