法律のいろは

審判離婚について

2014年4月21日 更新 

 ものの本には、離婚には、夫婦がお互い話し合って離婚をする協議離婚,夫婦での話合いによる解決が難しいとき、家庭裁判所に間に入ってもらう調停離婚と、審判離婚、そして裁判による解決を図る裁判離婚があると書かれています。

 ただ、このうち審判離婚というのはほとんどケースとして見られません。統計上も、1万件に数件あるかないかという数字になっているようです。

 ここでいう審判離婚とは、夫婦で離婚の話し合いがつかず、一方が離婚に同意しなくても家庭裁判所が独自に離婚の判断をするものですが、裁判離婚とは異なり、比較的簡易な証拠調べにより判断される一方、2週間以内に当事者や利害関係がある者から異議といって不服申し立てをすることができ、それによるとせっかく裁判所が下した審判が覆ってしまいます。

 実際のところ審判に対して不服申し立てがなされるケースはほとんどないようですが、審判で行うのに適するケースが余りないためか、利用が少ないと思われます。というのも、先に述べたように、審判の場合簡易な証拠調べによらざるをえないため、先鋭に不貞・不倫の有無など事実関係が対立している慰謝料請求や、調査官による調査が必要になることが多い親権が争いになっているケースは適さないでしょう。算定表の範囲で判断可能な養育費で争いがあるケースや、事実について大きく争いがあるわけではないが財産分与のところで話合いが難しいという場合は、利用することも検討の余地があるでしょう。

 裁判例では、別居期間がすでに婚姻後の同居期間の実に5倍にもなる期間に及び、夫婦関係がまったく形だけになっていて、一方の調停申立に対して他方が特に正当な理由もなく調停期日に出頭せず、家庭裁判所から自宅を数回訪問しても在宅していながら応対しなかったというケースで、調停に代わる審判での離婚を認めたものがあります。

 このケースでは、別居期間の長さや、既に扶養が必要な子どももいないこと、その間他方からの金銭的な援助も全くなかったという事情などから、明らかに婚姻を継続し難い重大な事由があるとして、先に述べたような審判をしたものと思われます。

 こういった場合でも離婚裁判によることが割と多いのではないかと思いますが、より早期に離婚をしたいという場合には審判の活用も検討してみるのもよいかと思います。

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