法律のいろは

養育費の支払いと保証人

2014年11月11日 更新 

 養育費の支払いの際に問題となる事項のうち,金額やいつまでなのかもさることながら,もらう側にとってはしっかりと払ってもらえるのかは大きな関心事かもしれません。そういう際に,配偶者の親などに保証人になってほしいという希望をだしてみるというのもしっかり払ってもらうには,一つの方法として考えられなくはありません。こうした方法は可能なのでしょうか?また,意味はどれくらいあるのでしょうか?

 

 まず,問題となるのは,養育費の支払いに保証人を付けることが可能なのかという話です。この問題は難しい点があります。養育費は,未成熟な子の扶養に関する合意であるから,保証人にふさわしくないという考えとお金の支払いに関する保証人(お金の支払いと同じ内容の支払い負担を別に負う人)だから問題ないという考え方の二つが成り立ちます。私見ですが,前者の考えに基づき消極的な考えの方が優勢な気はしますが,全く保証人を立てられないという理屈はない様にも思われます。協議離婚の方法でかつ夫婦だけでなく保証人となる方が負担の意味を了解して書類で合意すれば可能な場合もあるものと考えられます。ただし,否定的な考えも強いので,調停等裁判所での手続きでは難しいという話が出る可能性も十分ありうるところです。

 

 次に,より重要なのは実際の意味についてです。保証人を要求する一番の理由は,親本人が支払い能力がなくなった場合と思われます。離婚後の事情変化で支払い能力が低下した(収入の低下など)場合には,養育費を払う側から養育費の減額請求を家庭裁判所に請求することが可能です。こうした請求が受け入れられると,養育費は減額されることになります。この場合,保証人の責任範囲も小さくなります。これは,保証人の負う責任というものが,性質上本来の養育費の負担が軽くなれば,それに合わせて軽くなっていくという理由からです。同じことは,養育費の場面ではありませんが,お金の貸し借りの際の保証人などの場合にお当てはまるところです。いずれにしても,こうした事情変化には保証人では十分に対応できない可能性があります。

 

 保証人の話を考えるにしても,こうした実現ができるのか・実現しても実際のところどれだけ意味があるのかという点を考えておくのは重要な気がします。

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