法律のいろは

離婚と親権その21(親権者の変更⑦)

2016年3月25日 更新 

 離婚後の親権者の変更について,以前何度か触れました。一度決めた親権者を変更するだけの事情の大きな変化が必要と考えられています。離婚をする際に,特に協議離婚の場合には,とりあえず親権者を決めたという場合もあり,比較的緩くてもいいという考え方から,一度決めたものをそう簡単に変更するべきではないという考え方まで存在います。

 どこまで,最初に親権を決めた際に事情を考慮していたのかという点に左右されるところもありえますが,単純に親の個人的な感情だけで事情の変更が認められるわけでもありません。あくまでも,子供の監護状況や環境,その他の事情が変わることが必要になります。親権者の変更の背景には,子供の成長に伴う親との結びつき等が変わる場合も考えられます。

 特に,子供が15歳以上の場合には,親権を決める場合もそうですが,子供の意見を聞く必要が出てきます。子供の意向が相当程度考慮されると考えられます。ただし,子供自身が自分の親権者を変えたいと思っても,自分で親権者変更の調停を家庭裁判所に申し立てられるわけではない点に注意が必要です。

 数年前に設けられた子供の手続き代理人は,あくまでも,申立のあった親権者変更の調停等の手続きに子供自身が関与できるように,その利益を代表する方を設定するというものです。ですから,手続き代理人を設定すれば,子供自身がこうした調停の申立てをできるわけではありません。そもそも,申立前に手続き代理人というものは存在しません。

 通常は,子供自身の気持ちの大きな変更には,監護体制や監護状況等の環境面などの大きな変化があるでしょうから,こういった点も含めてどうなのかが大きな問題になるのではないかと考えられます。

 これに対して,子供が年少であれば,その意向の考慮はそこまでは大きく離されないでしょう。親権者親との結びつきなどの事情に問題があるの野化などが問題となるでしょう。

 親権者に虐待などが窺われる事情があれば,親権の喪失や停止の制度の申立てというものも存在します。どういった対応がいいのかは,関係機関や専門家に相談をして考えてみるのが一つの方法です。

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