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セクハラと懲戒処分に関する裁判例(その①)

2015年3月3日 更新 

 既に大きく報道されていますが,先だってセクハラを理由とする懲戒処分を有効とする最高裁の裁判例が出たので,前提となる話しを含めて紹介したいと思います。

 問題となったのは,ある企業に勤務する役職付きの方二人が,派遣従業員であった女性に対して行った言動がいわゆるセクハラ行為にあたるかどうか・セクハラ行為にあたるとして,その事ゆえに出勤停止の懲戒処分をしたことは有効かどうかというケースです。
裁判自体は,勤務先から懲戒処分を受けたために,出勤停止とそのことの影響ゆえに降格処分をうけた方から,処分が有効でないことを理由に現在も降格前の役職あることの確認などを求めたものです。こうした形になっているのは,判決文に記載がありますが,勤務先の規定に,懲戒処分を受けた場合には,会社内の審査会の決定で降格を相当と判断されれば,降格となるとの規定があるためと思われます。出勤停止による給料等の減少と降格による給料等の減少も出てくるところです。

 具体的なセクハラと裁判所に認定された事柄は,最高裁の判決の終わりの方に別紙として記載されています。その全てを記載することはできませんが,大ざっぱにいくつか紹介しますと
 ・不貞行為の相手の存在や関連する話(やり取りや写真の話題)
 ・性行為に関連する話題
 ・相手の女性従業員に30歳になったことを「おばさん」「親のすねかじり」等という
 ・相手の女性従業員に「夜の仕事」を進める
等が含まれています。こういう言動をどう評価するかは個人による違いがあるかもしれませんが,判断が違う高裁・最高裁ともにセクハラに該当するという事実認定をしているという事は,個人はもちろんセクハラ対応策をとる会社にとっても一つの示唆になるものと考えられます。

 高裁・最高裁とも先ほどの言動を含む男性従業員の言動をセクハラに該当すると認定していますが,この事を理由に懲戒処分(特に出勤停止処分まで行う)事への評価が異なるために判断が全く異なっています。高裁では,問題となったケースでの事実関係では出勤停止までは行き過ぎであるとして懲戒処分の有効性を否定しています。最高裁では,問題となったケースの事実関係では行き過ぎではないと判断して,有効性を認めています。

 こうした点に至る点の紹介を次回以降していきますが,まずは懲戒処分が有効になるならないがなぜ問題になるかという前提の話を次回にしたいと思います。

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