法律のいろは

離婚と養育費(算定上注意すべき点その①)

2015年5月12日 更新 

 離婚の際の養育費に関してはこれまで何度か取り上げてきました。今回は,これまで取り上げていない点をいくつか取り上げてみたいと思います。

 まず,よく想定されるケースとして,配偶者が子供とともに,養育費を支払う側が住宅ローンを払う家に住んでいることが考えられます。これは,養育費の算定にあたっても婚姻費用と同じく負担する費用に住居費が含まれているためで,住居費を負担していない場合には,その部分の修正の必要性が出ることもあるからです。ただし,この場合に住宅ローンの毎月の支払額をそのまま住居費と考えることはできません。住宅ローンはあくまで資産形成のための負担であり,いわゆる家賃的な性格を持つ住居費とは異なるからです。この住居費の部分がどの程度であるかが大きな問題となってきます。

 次に,以前養育費を払う側の再婚は養育費の支払い額に影響を与えるという話をしました。これは再婚によって,養育費を支払う側の方にとって再婚相手も扶養義務の対象となってくるためです。この場合には再婚相手の存在も考慮して計算を行うことになりますが,再婚相手については支払う側と同居していることが通常ですから,その方は住居費を要しないものと考えて計算をすることになります。

  これに対して,養育費を支払う側の方が離婚後に別の方と同棲したとしても養育費の金額には影響を及ぼしません。それは,そうした同棲が法律上内縁と評価できる場合も同様です。これは,こうした関係ではまだ法律上扶養義務までは生じないため,再婚とは同じように考えられないからです。もっとも,同棲相手などとの間に子供が生まれ認知したような場合には,法律上扶養義務が生じますので,この場合は養育費の金額に影響を及ぼすことになります。もちろん,離婚までに養育費を払うことになるだろう側が別の方と同棲しても同様です。

 以下次回に続きます。

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