法律のいろは

自営業・同族会社の財産は,財産分与の対象に含まれるのでしょうか?

2015年8月28日 更新 

 家族(主には夫婦)で自営業を営んでいたり,その状況のもと法人なりをして会社にしているケースは多いのではないかと思われます。もちろん,自営業を営んでいても,夫婦のうち一方は勤めに出ていたり,名前だけ同族会社の役員に入っていたり,少しだけ手伝っているケース等形は様々でしょう。今回は,自営業や同族会社の財産が離婚の際の財産分与に含まれるのかという点について,触れていきます。

 会社名義の財産は,夫婦の財産とは基本的には別のものですから,会社の財産が当然に夫婦が一緒に作った財産ということで財産分与の対象になるわけではありません。とはいえ,自営業からスタートして会社形態となった場合には,夫婦それぞれが一緒になって働き,役割にある程度の違いはあるにしても,一緒に経営していたという場合はありうるところです。こうした場合でも,財産分与の対象から外れるかというと,十分に対象となる可能性があります。ただし,これまでの夫婦のその仕事への関わり等の内容面があってはじめられるところですので,同族経営だから・自営業だから財産分与の対象になるわけではないところには注意が必要です。

 財産分与の対象にならないという言い分を出す側からすると,配偶者の関与は事務手続きなど小さいもので貢献はないか・ほとんどないという言い分がおおよそ考えられるところですが,こうした点に争いがある場合には,これまでの事業への夫婦の関与などに関する事実が大きく問題になります。こうした点の争いが大きい場合には,協議離婚や調停離婚ではなく離婚裁判に至ることも多いのではないかと思われますが,こうしたケースでは,こういった対立点に関する事実を裁判所が認定しそれによって分与の対象になるかどうか・寄与による配分率などを判断していくことになります。
 
 こうした形の事業の場合,財産分与の対象に会社名義の財産が含まれるのかという問題の他に,こうした財産の評価をどのように行うのか・寄与の程度をどのように行うのか等の問題があります。

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