前回は,貸した部屋の家賃が支払われない状態が続き,退去してもらうのに話し合いが付きそうな場合について触れました。少し補足をすれば,退去には応じたいのだけれどもお金が全くないという方が相手の場合,家賃を支払わずかつ賃貸借契約を解除したのだから,出ていくのは当然と考えるのはたしかにそうです。ただ,出ていかないからという事で,説得をする等促すのは当然にできますが,無理やり追い出すのはそのやり方によっては大きなリスクにつながりかねません。
貸した方が行方不明になったけれども荷物が室内に残されている場合には,部屋に勝手に入って荷物を勝手に捨てるということはできません。そのため,こうしたことを合法的に行うには,裁判所での裁判手続きを経て行う必要があります。契約解除をして退去を求めるという形で話を進めていくわけですが,相手が行方不明の場合には相手へ書類が届くかどうかという点で面倒な点がある程度生じます。
また,こうした場合には,相手方が裁判に出頭しないことも十分考えられるところです。その場合,請求通りの内容の判決が認められる可能性が高くなりますが,判決が認められたからといって,直ちに勝手に荷物を処分できるというわけではありません。強制執行という別の手続きを取る必要があります。こういったケースの場合,保証人から未払いの家賃などの回収ができない場合には,お金の回収は難しいのにもかかわらず,面倒な手続きを踏んでいく必要がある点には注意が必要です。
こうした事柄の細かい点はいずれ触れることもあろうかと思いますが,このように,当然できるはずと思っていることを正当な手続きに載せて行うのは面倒なところがあります。先ほどの出ていくお金がないケースでも話し合いがどうしてもつかない場合には,こうした手続きを取る必要が出てくることも考えられます。その際の負担を避けながら,いかにして早く問題を解決するのかはお金や荷物の面を含めた話し合いが重要になってきます。
次回に続きます。
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