法律のいろは

DVの被害は男性にも?(DVと男性 その②)

2015年10月8日 更新 

 先日,男性のDV被害という記事を雑誌かインターネットかで見かけました。DVというと,実際の相談割合や件数がそうであると思われますが,女性が男性から受けるものというイメージがあるかもしれません。いわゆるDV防止法では,前文(法律の具体的な決まりの前に書かれている文章のことです。その法律を定めた経緯・目的などが書かれています。)では,多くの場合女性が被害者であることを想定し,「人権擁護と男女平等の実現を図る」ために,配偶者からの暴力等の防止を図ろうと述べています。

 そのため,典型的なケースは,DV防止法の文言でも女性が被害者であることが想定されていはいます。しかし,法律の具体的な決まりでは,特に被害者は女性だけという風に書かれてはいません。あくまでも,配偶者からの身体に対する暴力や脅迫行為等への対応を定めたものといえます。

 男性側としては,先ほどのイメージのために相談しがたいという事があるかもしれません。また,女性側から男性側へ暴力をふるうという事自体が,体格差などから考えがたいという一般的なイメージもあるのかもしれません。とはいえ,今までのイメージが全てにおいてあてはまるわけではありません。もちろん,だからといって,女性がDVの被害を多く受けているという話を否定するものでもありません。

 あくまでも,一般的なイメージを捨て,ご自身の今置かれている状況がどのようなものかを把握しておくこと・争われる可能性がある場合には,写真・その他様々な形で,被害の状況を証拠で残しておくことが重要でしょう。そのうえで,まずは,どのように対応するのかを決めておく必要があります。被害を受ける状況から離れるのがいいのか・話し合いで解決を目指すのがいいのか,更には離婚や慰謝料などの話へ向かうのか,選択肢は状況によって変わってくる点があります。

 男性が・・・,女性が・・・,というのではなく,法律上DVとはどんなことをしたのか・されたのか,どんな危険が出てきたのかという問題なのだという事を認識したうえで,ご自身の状況の把握や対応を考えていった方がいいように思われます。
 

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