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養育費について,事情変更を認めたケース(高額所得者)

2015年12月30日 更新 

 離婚の際に養育費を取り決めておいても,事情変更が事後にあれば金額の変更をできるという話は前回触れました。こうした事情の変更にあたるかどうかなどが問題となった裁判例がありますので,その紹介をしたいと思います。

 問題となったケースは,裁判例からは高額所得者である側からの養育費の減額請求の事例と思われます。夫婦双方共が離婚後に再婚し,養育費を支払う側は再婚とともに相手の連れ子と養子縁組をし,その後にさらに子供が生まれたケースの模様です。こうした事柄などによって,事情が変わっているからという事で養育費の減額を求めた事案です。

 判断は,第1審と第2審で裁判所から示されており,結論は逆となっています。第1審では,先ほどの事柄をもって事情変更にはあたるとしながらも,減額を求める側が減額事由が生じると知って養子縁組をしたこと等や努力によって減額を避けられたこと等を理由として,減額を認めるのは相当ではないと判断しています。

 これに対して,第2審では,養子縁組などが養育費の合意(このケースでは調停のようです)の際には予測できなかったことから,事情の変更にあたると認めています。そのうえで,高額所得者(年収2000万円を超える)方の算定のための収入に関する考え方(基礎収入と呼ばれるものです)を述べています。再婚相手の収入を含めるべきかどうかなどについても判断を示しており,全てのケースについてこの判断が当然に妥当するわけではないと思われますが,どのように算定金額を考えていくのかに関しては,参考になると思われます。

 なお,このケースでは,進路が未定の段階でも進学の可能性が高いから学費がかかるという反論についても,未定の段階では考慮は難しいとの判断を示しています。

 この裁判例の考え方によれば,予め,養育費の合意時に再婚と養子縁組が予測されるようなケースでは事情変更が認められない可能性が出てきます。実際にこうした場合にあたるのはいわゆる不貞・不倫相手との再婚が強く予測されるような場合になろうかと考えられます。

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