いわゆる「できちゃった結婚」(最近は「授かり婚」ともいうようです)の場合には,結婚してからそんなに時期が経過することなく子供が生まれることがありえます。この場合でも血のつながりがあるのだから,当然親子ではないかという気はするところです。何かほかの場合と違いはあるのでしょうか?
違いが出てくるのは,自分の子供ではないのではないかという争う際の話になってきます。結婚してから生まれた子供は一般に嫡出子と呼ばれます。相続に関する相続分の差が解消されますので,この点では今後は違いは出ません。しかし,親子関係の否定には嫡出否認と呼ばれる制限の厳しい手段しか基本的には認められていません。この手段については以前別のコラムで触れていますので,ここでは詳しくは触れません。ただ,親子関係の否定を主張できる方は基本的には限られますし,主張できる時期も大きく制限されます。
ところが,結婚してから200日以内に生まれた子供は,嫡出子であると推定されません。そのため,時期の制限もなければ親子関係の否定を主張できる方が制限されているということもありません。相続その他の理由から否定を求める側から親子関係不存在の訴えあるいは調停を裁判所に申し立てて,その後無効ということになれば実態に合った法律上の親子関係を生じさせる手続きをとることになります。こういった点が大きな違いとなってきます。法律上の親子関係が存在すれば,扶養の義務(養育費の支払いや老親の面倒をみるなど)や相続が発生するという点が出てきます。
それ以外に違いがあるのかといわれれば,特にはありません。戸籍を見ても,「推定されない」という表示がされることもありませんし,何かしらが制限されるということもありません。逆に,何か特別なものが与えられるわけでもありません。
これに対して,同居をしているカップルが結婚する前に子供が生まれたという場合には,母親との間では出生により基本的に親子関係は認められます。しかし,父親との間では認知をしないと親子関係は発生しません。認知の後に結婚をした場合には,結婚をした時点から嫡出子という扱いを受けます。
この場合には,先ほど触れた「できちゃった結婚」というのとは状況が変わってくる点があります。こうしたケースについてはいずれ触れてみたいと思います。
このように,「できちゃった結婚」だから何か法律上影響するということはポイントとして多くはありません。
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