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離婚時に,大学進学を見込まれていた子供の学費はどの程度養育費で考慮されるのでしょうか(裁判例紹介)?

2016年9月18日 更新 

 夫婦が離婚する際に,子供がまだ幼ければ,将来大学に進学するのかどうかは分かりません。これに対して,離婚時に大学に進学している場合や進学が見込まれるような時期・事情がある場合には,ある程度の具体的な見込みが出てきます。今回は,こうした後者の場合について,養育費に何かしら見込まれるのかについて判断をした最近の裁判例を紹介します。

 

 結論から言えば,今回紹介する裁判例では,ある程度の考慮は認めています。問題となったケースは,協議離婚後に養育費に関する調停や審判がなされて,養育費の金額がいくらになるのか争われたものです。子供のうちの一人が大学に進学しており,その学費などの負担が養育費の金額でどのように考慮されるのかが争点の一つになりました。

 

 問題となったケースでは実際には私立大学に進学がなされたものの,離婚時に国立大学であれば進学は視野には入っていた(ただし,支払う側は具体的な支払いの合意はしていないと主張した模様です)という事情がありました。私立大学への進学まで視野に入っていたのかなども争点にはなりましたが,判断では証拠上認められる国立大学への進学を視野にしていたことを前提に,どこまでの学費等の負担を子供を養育監護していない親が負担すべきなのかを判断しています。

 

 なお,いわゆる算定表での養育費の負担に加えて,どこまでこうした学費等の負担をすべきなのかというのがここでの争点になります。第1審と第2審では,いずれもこうした前提には立ってはいるものの,負担すべきと認めた金額には差があります。ここでは第2審の判断を紹介するのみにしますが,第2審では,実際の学費ではなく規則などで決まっている国立大学の標準授業料額を前提に負担すべき金額を考えたうえで,算定表では公立高校へ通う際の標準学費が考慮されている点も考慮されています。

 わかりやすく言えば,実際にかかっていた学費が100万円だとしても,国立大学の標準学費である(当時)53万円程度のうち,効率広告に通う際の標準学費(当時)である33万円を差し引いたものを負担すべきとしています。ただし,これは学費のみですので,それ以外の費用も加算したうえで,負担すべきであると判断しています。

 ちなみに,第1審では先ほどの第2審で採用した考えをとっていないために,金額が多くなっています。

 そのうえで,第2審では親の収入状況や子供自身がアルバイトで賄う部分が離婚していなくても生じることを考慮して,負担部分を定めています(1/2よりは少ない割合となっています)。

 

 全く大学進学が視野に入っていない場合などには同様の判断とは直ちにはいきませんし,視野に入っているのが私立大学まで服う場合にも別な考慮は必要になると思われます。とはいえ,参考になる点もありますので,紹介をさせていただきます。

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