2016年9月17日 更新
離婚後に養育費の支払いを怠ることがあれば,相手方から給与などの差し押さえを受けることがあります。その際の上限は法律で定められており,差し押さえのほかに実際に回収のためのやり取りの必要があることは以前触れました。実際に差し押さえがなされた場合には,差し押さえの取り下げがあるまでは効力が続きます。
一方で,その後に失業をして失業給付の支払いも終わった,様々な事情から給料が大きく下がった,再婚をして新しく子供も生まれたような,様々な事情の変更も離婚後にはあり得るところです。再婚をした相手方に連れ子がいても,養子縁組をしないと扶養義務は法律上は発生しません。
こうした事情変更について,それが離婚時に予見できないものであれば,多くの場合養育費の減額事情(毎月の金額を下げる事情)に当たり得るところです。それでは,こうした事情が生じた場合に,当然に養育費の金額が減ったり,すでになされた差し押さえに影響があるのでしょうか?
結論から言えば,当然には変更されたり,既になされた差し押さえの手続きには影響はありません。養育費を減額させるには養育費の減額の手続きが必要になります。また,既になされている差し押さえ手続きは,養育費の減額がなされたからといっても,直ちに停止するわけでもありません。停止をするにはそのための手続きが必要になります。そのためには,一度変更の手続きが済んでから,そのことを示す書類を裁判所に提出して,差し押さえ(強制執行)の停止の手続きをする必要があります。
ちなみに,養育費の減額等の手続きは,家庭裁判所への調停の申し立てが基本です。ただし,子供が亡くなる等の事情がある場合には裁判手続きを経ることが必要になる場合もあります。この場合は,特殊ですが,こうした事情がありながら差し押さえがなされていて取り下げもされないような場合に,そうした差し押さえを止めるための手続きの一環として必要となってきます。
このように,一度なされた差し押さえの手続きを止めるためには,取り下げがなされていない限り面倒な手続きを経ることが必要になりかねません。
早くから弁護士のサポートを得ることで、解決できることがたくさんあります。後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。誠実に対応させていただきます。
© KEISO Law Firm. All Rights Reserved.