法律のいろは

DVの被害は男性にも?(DVについてその①)

2013年4月6日 更新 

 DVというと女性が被害者で男性は加害者というイメージをお持ちではありませんか?

 たしかに,DV(配偶者の間での暴力やモラルハラスメント等)のご相談を受けるのは女性の方からが多いです。しかし,内閣府男女共同参画局の平成24年調査によると,有効に回答した男性の18%程度は女性からのDV経験ありと答えているのです。

女性から男性へのDVが増えているというニュースがありましたけど,内閣府の調査でも無視出来ない数のようです。

 最近よく聞く「DV」,家庭内暴力といいますけど,何が対象になるのでしょうか?モラルハラスメント(職場でも問題になるますね)という言葉も聞くので気になるところです。

 いわゆるDV防止法によると,簡単に言えば「DV」とは,配偶者(夫婦)からの身体への暴力や精神的暴力(モラルハラスメントはここに含まれます),性的暴力のことです。後で離婚しても,DV防止法による保護は受けることができます。ただし,結婚中には暴力などなかったのに後で付きまとわられたとかいう場合は,DV防止法の保護は受けられません。面倒なところです。

 ちなみに,この場合はストーカー行為規制法などでの対応を考えることになると思われます。補足すると配偶者には内縁の場合も含まれます。

 モラルハラスメントを含むDVに関わるご相談でよく受けるのは①離婚できるのか②慰謝料は取れるのか③どう対応すればいいのか,が大まかに言って代表例のような印象を個人的には受けます。

 このうち,大問題なのは③ではないかと思っています。もちろん,DVがひどいと離婚は考えないといけないのですが,そもそもDVからとりあえず逃れることを考えないといけないと思うからです。

 そのための方法としては,保護命令というDV防止法上の保護もありますが,同じDV防止法上の一時保護(各県にある配偶者暴力相談支援センターが行う事業の一つ)やシェルターに逃れることも考えた方がいいでしょう。警察への相談も当然する必要があるように思われます。特に身体への暴力がひどい場合には居場所を知られないようにするための方法を打つことが重要になります。一時保護だけでは,その場しのぎなので,どうやって生活を立て直していくのかも重要な問題です。詳細は長くなるので,別の機会で触れることにします。

 男性の場合には,女性と異なり相談しにくいという方が多いのではないかと思われます。配偶者暴力相談支援センターの平成23年版の調査を見ると,男性の相談件数は女性の相談件数の1/80ほどです。

 男性から女性への身体的な暴力やモラルハラスメント等の精神的な暴力,性的暴力が許されないのは当然です。とはいえ,男性が被害者になっているのに相談できない状態が続くのもよくない気はします。女性は当然として,男性も相談できる状況を作っていかないといけないと感じました。

 DVについては,触れておくべき点が多数あるように思うので,折を見て適宜続編を書いていきます。

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