法律のいろは

離婚後の生活について(養育費その⑥~養育費って一括で支払ってもらえるの?)

2013年4月25日 更新 

 養育費の金額が決まったが、支払ってもらえない、あるいは途中で支払が滞ってしまった場合には、支払義務がある親の給与債権を差し押さえるなどの、強制的に回収をする手続きの検討が必要になってきます。強制執行の手続きについては、また回を改めてお話ししようと思います。

 養育費は、長期にわたる支払になることが多いので、こういった途中で支払がされなくなるケースが結構あります。

 そこで、支払を受ける親からすると、できるだけ早いうちに、まとまって支払を受けておきたいという気持ちが出てくると思います。一括払いはしてもらえるの?という質問もよくお受けする質問の一つです。

 普通、養育費は日々かかる子どもの生活にかかるお金ですから、定期的に支払われるのが原則です。

 ただ、支払う義務がある親に、今はまとまった収入や資産があるが、月ごとの収入が安定していない、といいた場合、将来も同じ額できちんと支払を続けられれるか疑問、ということもあります。

 そんなときは、本来将来もらうはずの養育費もまとめて支払ってもらう合意をすることが可能です。

 とはいえ、養育費は支払が長期になる場合、その間に事情が変わりやすくなります。事情が変わった場合、養育費の変更ができるのか?については既に述べたとおりです(→養育費その③参照)。

 一括での支払で合意したのであれば、ある程度事情が変わることを含んでの合意、とみられる可能性があります。そうなると、一旦合意をしたあと、事情が変わっても、それを考慮したうえでの変更が認められない場合も出てくるでしょう。

 また、一括払いの場合、支払を受けた親が子どもの養育費意外のものに使ったり、浪費をしてしまう危険も考えられます。その場合、一括で払ったのに追加で支払わなければならなくなることもありえます。

 なので、一括払いは支払を受ける側にとっても、その後の事情の変更が認められにくくなるデメリット・支払をする側も、一旦払ったあとさらに支払わなければならなくなるリスクがあります。

 いずれにしても、養育費の一括払いについては、慎重に考える必要があるでしょう。

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