法律のいろは

浮気(不倫・不貞)と慰謝料(その②)

2013年5月7日 更新 

 不倫(浮気)・不貞と慰謝料請求は,夫または妻と離婚するしないに関係なく,問題になる事柄ではあります。

 相手方の予測される反論としては

 ①不倫(浮気)・不貞があった事自体を否定する

 ②夫または妻がいるとは知らなかったし,分かりようもなかった

 ③不倫(浮気)や不貞はあったけれども,その時期には夫婦の関係は破たんしていた

 というものが主なものとして考えられます。もちろん,不倫(浮気)や不貞を認めて,時期が短いとか内容が違う等の反論はよくあるところです。①から③は不倫(浮気)・不貞についての慰謝料の支払い義務を争う点に特徴があります。

 特に,①は夫または妻が,配偶者に離婚を求めてきている際には大きな意味を持ちます。裁判例上,自ら不倫(浮気)・不貞をしている側から離婚請求をすることには大きな制約がかかっている⇒離婚裁判まで進んだ場合に離婚できないリスクを抱える,からです。

 この点への対応は,不倫(浮気)・不貞の証拠を揃えておくことです。証拠についてはいずれ触れたいと思います。

 次に,②については,慰謝料請求を逃れるには不倫(浮気)・不貞相手に夫または妻がいるとは知らなかっただけでは不十分であることが注意点です。つまり,少し注意すれば分かったはずである際にも慰謝料の支払い義務が生じるということです。そのためか,中々この理由で慰謝料請求を逃れるのは難しく,注意しても分からなっただけの事情が必要となります。

 ③については,裁判例上,夫婦関係が破綻していた場合には,不倫(浮気)・不貞による慰謝料を支払う義務はないとされているので,出てくる反論です。問題は,夫婦関係が破綻していた場合とは何かということです。

 単に夫婦の仲が少し悪かったとか・会話が少なくなっていただけでは不十分です。離婚にむけての具体的な動きがあったという事情が必要です。別居生活に入っていた後だからといってもそう簡単には破たんしていたとは判断されない可能性があります。もちろん,別居だけでなく離婚調停や離婚に向けたはっきりした協議・話し合いが存在した後というのは,夫婦の危機の一つの兆候とはなりますね。夫婦関係の破たんは簡単には認めてくれない点が重要なところのように思われます。

 このように,不倫(浮気)・不貞についての慰謝料請求への様々な反論がありますが,①以外は反論する側に負担やリスクが生じる印象があります。

 離婚問題と関係し,不倫(浮気)・不貞の慰謝料の問題は複雑な要素があります。

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