法律のいろは

離婚と親権(その⑦)

2013年5月17日 更新 

親権の問題は,離婚の話の際で最も問題になる事項の一つです。

 その際の問題の多くは,夫婦どちらかが親権者になるのかということです。ちなみに,別居が先行している際には,子どもの養育監護をだれがするのかという問題を伴うこともあります。注意すべき点として,協議離婚であっても,離婚する際には,夫婦のどちらかが必ず親権者にならないといけないということです。夫婦両方共が子どもの親権をいらないとすることはできません。

 子ども(未成年)の親権が問題となった際に,どのように解決していくのでしょうか?この問題は

 ①どういう流れで問題を解決していくのか

 ②親権が争いになった時には,どんなポイントが重要になってくるのか

 という点に分かれるのではないかと思われます。

 このうち,①については,本人同士あるいは弁護士等第3者を交えた話し合いで解決するなら,協議離婚の話し合いの中で解決します。こうした話合いが無理なら,家庭裁判所へ調停を申し立てて,離婚調停の中で話し合うことになります。その中で必要があれば,家庭裁判所調査官という立場の方の親権に関する調査が行われることもあります。ちなみに,離婚調停の段階で行われた親権調査は,それがすべてで無いにしても,離婚裁判に至った際の親権判断に影響する可能性はあります。

 離婚調停の話合いの中でも,子どもの親権者について決着がつかない場合には,離婚そのものについては決着がついていても,離婚調停自体が不調に終わることがあります。離婚するには必ず子供の親権者を決めないといけないですからね。

 

 離婚調停が不調に終わった場合には,家庭裁判所での離婚裁判で問題を解決することになります。この場合には,裁判官の判断で夫婦どちらを子どもの親権者をするかの判断を下すことになります。とはいっても,この段階でも話し合いで解決する可能性はあります。ちなみに,離婚裁判では家庭裁判所調査官による親権調査が行われることが多いように思いますけど,必須ではなく,裁判官の判断でなされるものです。つまり,場合によってはなされない子とも十分あり得ます。

 親権調査では,以前子どもの引渡しや養育監護者を決める際にも話しましたが,これまで・現在の子どもの養育監護状態や夫婦それぞれとのかかわり合い・養育監護する体勢(健康状態とか勤務状況・生活状況,協力者や経済的な面)等の報告を求められることがあります。これは夫婦それぞれについてです。もちろん,当面の子どもの養育監護者を決める場合の調査とは異なる面も出てはきます。

 そのうえで,夫婦・子どもとの面談や家庭訪問や子どもの通う学校からの報告を受けるなどして,家庭裁判所調査官が調査を行います。調査の方法は,ケースバイケースですので,全ての調査を必ずしも行うわけではありません。

 こうして親権調査の報告が出されます。その中では,子どもの親権者としてふさわしいのはどちらかが示されることもあります。判断が示されることは多い印象があるところです。親権調査をもとに離婚裁判が進んでいきます。

 

次回は,離婚の際の子どもに対する親権者のポイントとなる事柄について触れていきます。

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