子どもと現在子どもを養育監護していない親との面会の問題は,離婚前だけでなく離婚後もあります。
そうした場合に,話合い・調停・審判で子どもとの面会を決めても守られない場合等もありうるところです。ちなみに,離婚裁判で判決に至った際には,離婚後の子どもと親権者でない方の親との面会交流に関する事項は判断されません。この場合に,子供との面会交流に関する事柄を決めたい場合には,別に調停や審判の申立てを家庭裁判所にする必要があります。
子どもとの面会について決着がついても守られないなどする場合に対応する方法は前回触れました。内容としては
次の3点があります。
①履行勧告の申し出をする
②再度家庭裁判所に面会交流の調停や審判の申立てをする
③間接強制手続きの申し立てをする
このうち,①と②については前回触れました。③についても以前に触れたことがありますけど,もう一度復習も兼ねながら触れていきます。
間接強制とは,調停や審判で決まった事柄が守られない場合に,ある時期までに守るよう求め,従わない場合にお金の支払いを命じるものです。子どもとの面会交流は,無理やり連れてくることはできませんので,こうした手続きが取られています。
子どもとの面会交流の場合には,子どもを養育監護する親に対して,守らない場合に1回いくらという形で命じられる場合が例として考えられます。
注意すべきなのは,決着がついた内容によってはこの手続きが使えないということです。
以前紹介した今年だされた最高裁判所の裁判例では,守るよう求める内容が特定されていることが必要とされています。裁判例は3つあって,間接強制手続きを認めたものと認めないものがありました。
①面会交流の日時または頻度
②各回の面会交流時間の長さ
③子の引き渡しの方法等が具体的に定められている
など、子どもをみている親のしなければならないことがきちんと決められているかどうかが判断の分かれ目でした。
認められなかったケースは、いずれも面会交流の頻度や長さが「○○程度」とされていたり、「面会交流の具体的な日時、場所、方法等は・・協議して定める」となっていたり、あるいは子どもの引き渡し方法が定められていなかったようです。
以前は,家庭裁判所の調停や審判でも,上記の認められなかったケースのような決着のつけ方が結構あった印象があります。そのため,これから間接強制を求めようとする場合には,決まった内容をよくチェックしてみる必要があるかと思われます。
ちなみに,①の方法の場合には,曖昧な決着のつけ方であっても使うこと自体はできます。ただし,強制力はありません。
面会交流の話については他の点も含め,また触れたいと思います。
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