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交通事故にあった事で仕事ができなくなった分の損害賠償はどうなるのでしょうか?(その⑥)

2013年6月6日 更新 

 交通事故にあった事で,仕事ができなくなった場合の損害賠償について,これまで5回触れてきました。

 前回に引き続き,休業損害の点に関して,会社の役員の方の問題点に触れていきます。

 

 会社の役員報酬が,働いたことへの報酬か利益分配のなのかを考えるに当たり,以下の要素を参考に考えていく方法があります。

 ①役員となっている会社の規模

 ②役員となっている会社の営業状態

 ③被害者である役員の地位や職務内容(他の役員や従業員との職務内容の比較)

 ④役員報酬の額

 等が挙げられます。このうち,①については前回触れました。

 ②については,実際に大きく問題になるケースもあります。交通事故の被害者になった役員の方の稼働状況が,会社の業績(売り上げなど)に与えている影響が問題となります。被害者の方が働かなくなったことで,業績が大きく悪化しているのであれば,その方の稼働が大きいことが認めやすくなります。つまり,利益配当とは考えにくいです。これに対して,被害者の方が働かなくても,会社の業績が悪化しないとかよくなっている場合には,利益配当の要素があるのではないかという判断にいきやすくはなります。ただし,あくまで一要素ですから,これだけで利益配当とされるわけではありません。

 

 ③については,まず役員の地位が名目的な取締役かどうかが問題となります。名目的な取締役とは,名ばかりで会社の業務執行に関わっていない取締役のことです。基本的には,働いた分の対価は考えられません。

 ただし,オーナー社長の奥さんなどで主婦の方であれば,主婦の休業損害が考えられます。また,従業員でもあり名目取締役であった場合には働いていることから,その対価の部分が存在します。この部分が役員報酬に相当するなら,役員報酬部分が労働の対価となります。

 次に名目的ではない取締役についてです。中小企業の多くでは,オーナー社長やその他役員の方も従業員の方と同じように一線に立って働いているケースが普通かと思われます。ですから,こうした働いている部分への報酬は当然基礎となる収入に含まれます。

 そうはいっても,従業員を兼ねている名目取締役の方や名目的ではない取締役の方も役員報酬全額が,働いていることへの対価となるかどうかは難しい判断を伴うことがあります。

 

 ④については,会社の業績が悪化しているのに役員報酬を高くしている場合等には,役員報酬には会社から利益をプールしてあった部分を報酬として受け取っているところがあると考えられるケースもあります。ちなみに,交通事故後に被害者が働けなくなった場合に,役員報酬が支払われていなければ,働いていることへの対価が多くを占めている可能性が大きくなります。

 

 他の点も含め,こうした点を総合的に考えながら,利益配当がどれくらい部分があるかを見極めていくことになります。

 

 

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