前回、前々回で養育費の支払い義務がある親が、一度決めた養育費の支払いが困難になったとき、またそれを越えて破産手続きを取らざるを得なくなった場合についてお話しをしました。
今回は、そもそも養育費の請求をしないという合意ができるのか?についてお話ししたいと思います。
養育費を請求しないという合意も、養育費を夫婦がどのように分担するかに関する話合いになりますから、基本的には有効なものとなります。
ただ、一旦養育費を請求しないという合意が有効に成立しても、その後事情が変わり、そのまま合意が有効なものとすれば子どもを育てるにあたって不都合が生じるといった事情があれば、支払う義務を負う親に対して、相応の支払をするよう求めることが出来ます。
ですから、そもそもどういった経緯・事情で養育費の支払いを求めないという合意がされたのかを踏まえ、合意に至った経緯に問題がないか、また合意をした後に事情が変わっていないか検討をする必要があります。
時々あるのが、養育費を支払う義務ある親(通常父)の名義の家に、離婚後も母親と子どもたちが住む代わりに、養育費の請求をしないというものです。要は父親が住宅ローンの支払をする代わりに、養育費の負担は負わない、その分母親も家賃相当額の出費を免れている、といったケースです。
この場合で、父親がたとえば住宅ローンの支払が負担になることから、土地と家を売ることにしたときには、母親に住居費の負担が新たに発生することになり、事情が変更したといえます。
したがって、母親は、養育費として妥当な額を父親に対して請求できるといえるでしょう。
今回で養育費に関するお話しは一旦終わりにし、次回からは、離婚後の氏などについてお話ししたいと思います。
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