法律のいろは

離婚と年金(その①)

2013年6月17日 更新 

 いわゆる熟年離婚の場合,今後の生活費をどう確保するかは大きな問題です。熟年離婚での財産分与などの問題は別に触れますが,生活費を支える年金も大きな要素となってきます。

 将来の年金の確保は,比較的若い方でも問題になります。今回から,離婚に関わる年金の問題について,何回か触れたいと思います。

 

 まず,年金については,公的な年金と私的な年金が存在します。20歳以上になったら加入することになる国民年金は,生活の基本的な部分を支える公的な年金です。基礎年金と呼ばれるものです。この年金の保険料は定額となっています。

 同じく公的な年金として,厚生年金・共済年金というものがあります。これは,現役時代の収入に比例した年金を支給するものです。保険料も収入に比例することになります。基礎年金を一階建て部分と呼ぶのに対して,二階建て部分と呼ばれるものです。公務員を含む勤務している方が加入することになります。

 ちなみに,いわゆる自営業の方には,2階建て部分に相当するものがありません。よく聞く国民年金基金は,自営業の方などの基礎年金の上乗せ部分を支給するものではありますが,公的な年金ではなく私的な年金です。

 

 このほかに,3階建て部分と呼ばれるものがあります。先ほどの国民年金基金も当てはまるところですが,私的な年金です。厚生年金基金や確定給付年金などの企業年金や,確定拠出年金が3階建て部分の私的な年金の代表例です。企業年金は,勤め先の会社が従業員のために準備するものです。確定拠出年金は,各個人が加入するかどうか判断するものです。いずれも,自由に選ぶものであって,公的な年金と違い義務ではありません。

 ちなみに,よく生命保険会社が販売しているものに個人年金保険と呼ばれるものがあります。これは,今まで述べたものとは違う各個人の方が自分で加入する年金のことです。定額のもの扁額のものなど色々な商品ごとの設計がなされています。

 

 将来のためのお金の備えとしては,公的な年金を除けば,各個人で準備していくことになります。次回以降離婚との関係での年金に関して詳しく触れていきたいと思います。

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