法律のいろは

婚姻費用とは何ですか?その⑫(~婚姻費用(生活費)の支払が滞ったら?~)

2013年7月29日 更新 

 これまで、婚姻費用(生活費)の決め方について主にお話しをしてきました。今回は、夫婦の合意・あるいは裁判所の調停・審判で婚姻費用(生活費)を決めたにもかかわらず、支払がないときはどうすればいいかをお話ししたいと思います。

 

 一旦決めた婚姻費用(生活費)の支払が滞ってしまったとき、取る方法は養育費の支払いが滞ったときと同様になります。

 つまり、まず,婚姻費用(生活費)の取り決めが口約束の場合。夫婦で改めて合意をして書類を作る必要があるでしょう。話が付けば公正証書で作成するのが良いと思います。

 ただ、現実問題として、婚姻費用(生活費)の支払について口約束しかなく、支払が滞ったあとに、再度書面をきちんと作成する話をつけるのは難しいと思います。

 

 話合いがつかない・話合いに応じないなら,家庭裁判所に婚姻費用(生活費)の分担額について、話合いを求める調停を申し立てることになります。裁判所での話合いも難しければ,裁判官が当事者双方の収入や,子どもの数,生活状況などから婚姻費用算定表も参考に婚姻費用(生活費)の額を決めます(審判といいます)。

 それでは,婚姻費用(生活費)について,調停や審判で決まったあとも支払が滞った場合はどうすればよいでしょうか?

 

 これも、養育費と同様に、①履行勧告②強制執行(差押)の手続きによる方法があります。

 通常は、「履行勧告」といって,まず家庭裁判所から支払をするよう求める手続きをとることが多いです。家庭裁判所はこの申し出があれば,支払状況を調べ,相手に対して支払うように勧告します。

 家庭裁判所から支払うようにと連絡があると,相手も支払に応じるケースが結構あるようです。また,給料の差押などをいきなりすることで、勤務先へ伝わる前のワンクッションとして、履行勧告からまず始めることが多いようです。

 もし、それでも相手が支払に応じなければ、裁判所が作成した書面に基づき,相手の資産から差押するなどして強制的に回収する,強制執行手続き(差し押さえ)によることになります。

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