法律のいろは

離婚後の生活について(養育費その⑭)

2013年8月3日 更新 

 離婚の際に未成年の子どもさんがいれば,当然養育費の話は出てくるものと思われます。これまで自営業者や給与で生活している方(主に支払い義務のある方)を念頭に何度か話をしてきました。

 

 貰う方の側(親権者となった側)と払う方の側それぞれについて,働ける状態にあるのに働かない場合に,収入をゼロと考えていいのかという問題点があります。これは,これまで何度か触れましたように,養育費の算定表がもらう側・払う側それぞれの収入を養育費の額を決めるうえで大きく考慮しているため,大きな問題となってきます。つまり,いくら払うか・貰うかが問題点となってくるということです。

 

 収入がないのだから払いようがないという考えもあります。ただ,働けるのに働かないのに支払い義務を逃れるのはおかしいという考えもあります。一般には,後者の考えに従って,働こうと思えば働ける能力(潜在的稼働能力といいます)があるものと考えて,収入を推計して,養育費の算定を行っていく場合が多いと思われます。

 次に問題となるのは,潜在的稼働能力,つまりいくらの収入があるものと考えていけばいいのかということです。

  払う側について考えると,払う側の年齢やこれまでの職歴や収入,現在の健康状態などが大きな要素となってきます。このほか,再就職活動をしているか(ハローワークに行っているのか・その他の活動があるのかどうか)等の状況を踏まえていくら収入があると推定するのかを考えていくことになります。

 このほか,統計調査である賃金センサスを使って推計する方法も考えられます。賃金センサスについては,「交通事故にあって働けなくなった場合の損害賠償はどうなるのでしょうか?」というコラムで触れていますので,詳しくはご覧ください。

 ちなみに,賃金センサスはいくつかのカテゴリが存在しますが,どの区分に適用して考えていくのかは,その方の属性やこれまでの状態などに左右されます。

 

 次回に続きます。

 

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