法律のいろは

解雇って?(その⑥)

2013年8月28日 更新 

 従業員の方の私生活上の問題を理由に懲戒解雇ができるかどうかについて,前回・前々回と触れました。結論として,色々な事情を考えて,会社への悪影響が相当重大と客観的にいえる必要がある場合だけという話をしました。そのうえで,最近よく問題になっているもののひとつである飲酒運転の発覚について触れました。今回もその続きです。

 

 飲酒運転も飲酒量や飲酒運転をした従業員の職種や会社の業務内容等色々な事情を考慮したうえでのかなり限られたものになるという話を前回しました。とはいえ,この話は懲戒解雇という一番重い処分についてのものですが,より軽い降格などの懲戒処分はなされる可能性はあります。もちろん,本来私生活で会社の仕事とは関係ありませんので,やはり処分がなされる範囲は懲戒解雇より広くしても問題ない点はあるものの,限定はされます。

 

 以上の話は単に飲酒運転が発覚した際の話です。これが交通事故を伴っても今述べた話と大きくは変わりません。ただ,飲酒運転による交通事故の場合は,犯罪になる可能性が高く,場合によっては事故を起こした従業員の方が警察などに捕まるケースもあります。 

 そもそも飲酒運転だけでも酒酔い運転の罪(道路交通法違反)に該当する可能性があります(正常な運転ができない恐れがあるほど飲酒して運転している場合)。事故を起こして相手にケガをさせる・亡くなるということになれば,飲酒による運転への影響によっては極めて重大な犯罪な犯罪になる可能性があります。しかも,民事でも損害賠償請求を受けることも十分あります。こういうことがありますので,飲酒運転はリスクが高くやめた方がいいものです。

 話がそれましたが,それだけでなく,警察に捕まってしまうということであれば,場合によっては相当な期間つかまったままの状態になるということがありえます。そうなるといかに,刑事事件では裁判で罪が確定するまでは無罪と扱われるのが原則とはいっても,自分(従業員の方自身)のせいで仕事ができない状況を作り出したことにはなります。この事に関する問題点も出てくることにはよく注意をした方がいいように思われます。

 

 最後に飲酒運転が交通事故になった場合で犯罪に該当する可能性があるという話をしましたので,次回は従業員の方が私生活の中で刑事事件を起こした場合にどうなるのかという話に触れたいと思います。

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