法律のいろは

協議離婚について(その⑦)

2013年9月11日 更新 

 前回は離婚する意思がなくなったのに、離婚届を出されてしまったとき、離婚無効を主張できるかを中心にお話ししました。

 今回は、離婚届を出すときは、仮装とはいえ、離婚する意思が形式的にはあった場合、協議離婚が無効といえるかをお話ししたいと思います。

 

 離婚に限らず、法律上の身分関係が変動する場合、身分関係を創設・解消するための届出をする意思とは別に、本当に身分関係を創設・あるいは解消をする意思が考えられます。

 裁判所の判断では、いままで赤の他人だった人同士が、新しく親族関係となる場合、たとえば婚姻や養子縁組といったケースでは、単に身分関係を創設するために届出をしようという意思だけではなく、本当に親族関係になる意思まで必要、としているのが一般です。

 

 これに対して、離婚や離縁のように、一旦作り上げられた親族関係を解消しようという場合には、身分関係を解消しようという意思さえあれば、たりる、そのあと本当に別れるつもりかどうかまでは要求していないものが多いです。

 ですから、例えば夫が借金の取り立てから自分の財産を守るために、妻と形だけ別れて、妻に財産分与をした上、離婚届を出したが、そのあと夫が別の女性を作ってしまい、その女性との婚姻届を出してしまった。そこで、妻が先の協議離婚が無効だと争って認められるか、となると、一旦離婚届を出すとき、形だけでも婚姻関係を解消するつもりで出した以上、協議離婚は有効となってしまう可能性があります。

 

 先にお話ししましたように、届出意思があって記載された、離婚届が役所の窓口で受理されると、離婚という重大な効果が発生してしまいます。戸籍上も訂正されることになります。このような重大な効果が発生してしまう以上、あとからどうにかなるというわけにはいきません。

 離婚をするにあたっては、慎重に今後のことも考えた上で行わなければならないのはいうまでもないことでしょう。

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