法律のいろは

内縁とは何でしょうか?(内縁その⑧)?

2013年10月16日 更新 

 どういった場合が内縁にあたるかを考えるポイントとして,①共同生活の実体がある②夫婦として共同生活を送る意思があること,がある点は前回触れました。このうち,①については色々なポイントが考慮されます。今回は,そのポイントについて触れていきたいと思います。

 

 法律上の結婚と違い,内縁とは色々な形があるから,様々なポイントが考慮されるという話は前回しました。男女が一緒に住んで生活をしている場合には,あまり問題になりません。同居して生活している場合には,同居して生活している期間や生活の内容にもよりますけど,継続的にお互いに協力して一緒に生活しているわけですから,共同生活の実体があるということは言いやすくなります。

 これに対して,男女が別々に暮らしている場合には,ややこしくなってきます。そもそも,別々に暮らしているのだから,共同生活の実体なんて存在しないのではないかということも十分に可能だからです。ただし,仕事の関係等様々な事情で別々に暮らすことも十分ありうるところです(法律上の結婚ですら,単身赴任などのケースもあります)。

 こうした点があることから,別々に暮らしているから,共同生活の実体がないとは簡単には言えない点があります。この場合に,共同生活の実体があるかどうかは

 ①家庭(男女)の背景事情

 ②交際・男女関係の事情

 ③生計の維持管理や日常生活の協力状況

 ④③で触れた以外の精神的な結びつき・協力状況

 ⑤②から④で触れた事情が続いた期間の長さ

 ⑥男女が共同して作った財産があるかどうか

等様々な事情が考慮されます。①から⑥の点に限りませんし,あくまでも全体を考えてという話(どれかがないから直ちに共同生活の実体がないという話にはなりません)である点には注意が必要です。

 

 裁判例の中には,こうした事情が問題となったケースがあります。国家公務員の死亡退職手当の支給規定に,内縁の配偶者が含まれていた等の事情があったケースで,脂肪退職手当等を受け取る内縁の配偶者といえるかどうか等の点が問題となった事例です。

 このケースでは,男女が別々に住まいを持っていたために,内縁といえるか(共同生活の実体があるかどうか)が問題となりました。結論としては,先ほど触れた点をふまえて,いずれ婚姻届を出す意思のある関係だから,内縁であると判断しました。

 その理由として,互いに相手の家を行き来していて,頻繁に寝泊りもしていたこと・夫婦としての宿泊旅行にも出かけていたこと等色々な事情をあげています。

 

 補足を含め,次回に続きます。

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