法律のいろは

離婚と財産分与(その27)

2013年10月26日 更新 

 離婚の際の財産分与について,夫婦が結婚している間に作った共有の財産を清算することが中心という話は以前しました。その中で,原則として2分の1ずつという話もしました。今日は清算の割合について触れたいと思います。

 

 原則として2分の1ずつということですので,例外的な事情があれば清算の際の取り分が変わってきます。問題は,例外的な事情は何であるのかという点です。

 それは,夫婦で作った財産を作るうえで大きな寄与をしたと言えるだけの事情となります。そもそも,財産分与での清算は,夫婦で作った財産を作るうえでどれだけ貢献したのかという貢献度(寄与度)で判断されます。ただ,普通は夫婦が共働きであれ専業主婦(主夫)であれ,異なる役割だけれども同じだけ貢献しているという考えのもとから,半分ずつの寄与⇒2分の1という考えとなっています。

 自分は仕事をしてるのに配偶者は家にいるだけなのに,なぜ半分ずつ清算なのかという話は財産分与の清算の話では基本的に通じないことになります(もっとも,不平等で清算してもいいということで納得していれば別です)。この場合の配偶者は家事で貢献していることになります。

 ですから,例外的な事情といえるには,夫婦の一方が普通の共働き・専業主婦(主夫)で夫婦が果たしているよりも相当大きな貢献をしたという必要があります。よくあるケースとしては,会社の経営者とか医者などの専門職に夫婦のうち片方がなっていて,特別なアイデイアとか専門能力や経営能力等によって財産を結婚中に大きく増やしたという場合をあげることができます。

 この場合には,経営者・専門職の方の特別な能力による貢献の程度が相当大きいことから,財産分与で清算する際に半分ずつとするのはおかしいので,貢献の程度に応じて清算をすることになります。

 

 もちろん,今話したのとは逆に配偶者の一方の貢献の度合いが相当に低い場合も,裏返しとして,他方配偶者の貢献が相当大きくなります。ですから,こうした場合も財産分与における清算は半分ずつではなく,貢献に応じた清算ということになります。

 

 問題は,貢献度が大きい場合とはもう少し具体的に言うとどんな場合なのか・逆に低い場合はどんなときか,さらには話し合い・離婚調停・離婚裁判でどのように言っていけばいいのか等色々とあります。

 貢献に応じた割合であるため,実際の清算割合はケースバイケースです。ただし,大半のケースでは2分の1という原則通りにいくということは注意しておいた方がいいと思われます。

 次回に続きます。

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