法律のいろは

不倫・不貞と慰謝料請求(その⑮)

2013年10月31日 更新 

 これまで,不倫・不貞と慰謝料請求に関して色々と触れてきました。内縁関係といえるかどうかという違いがありますけど,内縁の相手が浮気をしていた場合にも基本的にはあてはまるといえるでしょう。

 

 実際に,不倫や・不貞をされた場合にどうするのかというのが最初の選択肢として出てくるかと思われます。別れるように仕向けたい・慰謝料請求しないと気が済まない(不倫・不貞の相手だけでなく,場合によっては配偶者にも)・離婚を請求したい等,ケースバイケースにはなります。

 特に慰謝料の請求をする場合に,内容証明郵便を送らないといけないのかという話をきくことがあります。誤解を恐れずにいえば,絶対に内容証明郵便で送らないといけないものではありません。内容証明郵便とは,あくまで請求をいつの時点で行ったかを証拠として残すためのもので,特に何か法律的に意味があるわけではないからです。

 ただし,もうすぐ慰謝料が時効にかかってしまう,時効の期間があと少しで過ぎ去ってしまう場合には,意味が出てきます。これは,裁判での請求でなくても慰謝料請求をすれば,そこから6か月以内に裁判で請求を行えば,時効の期間が過ぎ去らないと法律で決まっているからです。この場合も,内容証明郵便の効果というよりも,請求したかどうかについて証拠もなく水かけになることを内容証明郵便を送ったことが証拠として残ることで,相手の言い訳を防ぐことができるというところに意味があります。不倫・不貞の慰謝料請求の事項については,このシリーズの⑬と⑭で触れています。

 

 ですから,時効の問題が出てくる場合以外には必ずしも内容証明郵便である必要はありません。そうはいっても,相手方にプレッシャーを与えたり,話し合いを試みたことを証拠で残すために内容証明郵便を使う意味自体はあります。

 

 次に内容証明郵便を使って慰謝料請求を受けた側はどうするのか,この点はいきなり内容証明郵便が届いてお金まで請求されているのだから,驚く方が多いのではないでしょうか?請求を受けた側は,自分だけでなく不倫・不貞には相手もいるのだからと考えることもあるのではないでしょうか?

 たしかに,不倫・不貞には相手が必ずいるものですけれども,請求に対しては双方全額支払う責任を負います。これは,法律上,不倫・不貞によって一緒になって慰謝料を発生させている以上は,連帯責任を負うと定められているからです。不倫・不貞の相手方に対しては,慰謝料請求に対する決着をつけた後で,別途責任に応じた負担を求めることになります。

 

 次回に続きます。

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