法律のいろは

児童虐待と離婚・親権(その①)

2015年5月2日 更新 

 夫婦の間で離婚の問題が出る際に,子供に対して配偶者から「虐待」ではないかという行動が問題になることがありうるところです。子供を巡る親権等を含めて問題となることがあります。まず,虐待はどのようなものをいうのでしょうか?

 

 児童虐待には大きくいって,次の4つのタイプに分けられます。一つ目が,身体的虐待,殴る・蹴る・首を絞める・揺さぶるといった典型的と考えられることの他に,縄で縛るなどして拘束する行為も含まれるところです。二つ目は,性的虐待,性的行為をさせる・見せる,性器を触らせる等の行為が含まれます。三つ目は,ネグレクトと呼ばれるもので,食事を与えない・病気になっても放置する等の行為が含まれます。四つ目は,心理的虐待で,子供の目の前で家族に暴力をふるうこと,兄弟で差別的な扱いをする・脅すこと等が含まれます。
 こういったことを保護者が子供に対して行うことが児童虐待にあたります。

 こういった行為が児童虐待にあたることは児童虐待防止法で定義されており,いわゆる「しつけ」との境界が問題になるところです。しつけは,法律上親権者の子供に対する懲戒権というものを根拠にしますが,数年前の法律改正であくまでも子供の養育や監護に必要な範囲内(あくまでも親権者の気持ちの中での問題ではありません)でしか行えないことがはっきりされ,逸脱が大きい場合には,親権の停止や管理権の停止等があるという事が明確にされました(厳密には,親権喪失の事由が明確にされ,親権停止の制度が設けられました)。

 こうした先ほどの行為を親が子供に行った場合には,暴行罪や傷害罪・保護責任者遺棄罪・強姦罪などの犯罪に該当することもありえます。

 先ほど挙げた虐待とされる行為は,子供に様々な影響を与える可能性のあるところですので,こうした事柄に該当するかもしれないことがあれば相当気になるところです。次回以降にこうした児童虐待にまつわる制度や離婚との関係について,触れたいと思います。

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