法律のいろは

借りている部屋の上の階から水が漏れてきたのですが,どうすればいいのでしょうか?

2018年1月31日 更新 

 賃貸物件の中でクレーム・問題の中には色々なものがありえますが,借りている部屋の上の部屋など近隣の部屋からの水漏れや騒音の問題は代表例の一つといえるでしょう。借りている方からは,どう対応をその部屋の方や貸している方に求めるのか・貸している方からすれば,どう対応をしていくのがいいかといった話になってきます。

 

 借りている方からすれば,その原因が何かを確認するとともに修理あるいは原因をなくすように求めることになります。貸主には修繕をする義務がありますので,対応は必要になります。細かな修理は負担しないという特約を作っておいたばあにはその有効性などが問題となりかねないのには注意が必要でしょう。

 貸している側には修理に対応する必要があるのかなどを見極める必要があります。先ほどの修理の義務のほかに,水漏れの原因が貸している物件の老朽化その他保存・管理していくうえで通常備えている性質を欠いたことで起きたものといえた場合には,生じた損害の賠償責任が生じかねません。実際には,水漏れの原因が何であるかを見極めていくことになるでしょう。

 

 実際に水漏れによって損害が生じた場合にはどの程度の責任を負う必要があるのか・その責任はともかくとして解決を図るのかなどを考えていくことになるでしょう。その際には,誰がどの程度の負担を負うのかという話になっていくでしょう。話がつかず法律上の責任の有無や内容が問題になる場合には,先ほど触れた物件の管理していくうえで通常備えているはずの性質を欠いたものといえるかどうかは大きな問題となってきます。これは,法律上建物等の管理をしている方や所有者は,その管理していくうえで通常備えておくべき性質を欠いたことで相手に損害を与えた場合に賠償責任を負うことが定められているためです。

 監理をしていくうえで通常備えておくべき性質を欠いていたといえるかどうかは,様々な事実関係について法律的な評価をしていくことになります。どういった事実関係があったのか・その事柄がどのように評価することができるのかは難しい問題もあります。専門的な評価も関わるところですから,よく話を整理したうえで気になった点があったら弁護士などの専門家に相談をした方がいいでしょう。

 

 このように問題が大きくなると複雑な問題が生じることもありますので,貸した側としても早期に水漏れの原因をはっきりさせるとともに,修理その他の対応を早めにしておいた方がいいでしょう。

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