法律のいろは

夫(男性)側から離婚を切り出す際に問題になりそうな事柄(その①)

2017年3月6日 更新 

 夫婦の関係に行き詰まりを感じて離婚を切り出したいと男性側(夫)の方で考えているケースはたくさんあるでしょう。子供のことなどを考えてどうするかという非常に重要な問題はありますが,実際に考えた際にどういった事柄が問題になるかは考えておいた方がいいでしょう。勤務している方であれば定年退職が迫った(退職後)の年代とそれ以前の年代で大きく問題となる事柄は変わってきますが,今回はそれ以前の年代について触れておきます。

 

 一番大きな問題は,子供がいる層であれば,子供に与える影響でしょう。マイナスの影響を与えることは十分多いと考えられますので,こうした点も踏まえてご自身の気持ちを整理した方がいいでしょう。

 次に問題となるのは,相手方(妻側)が離婚に積極的かどうかという話になります。ここでポイントとなるのは,妻側も夫婦関係がうまくいかない・積極的に修復しようと考えているように言えないとしても,そのことが積極的に離婚をしたいという話に直結しないことがあるということです。最近は,様々な形で共働きが増えているように思われます。そうはいっても,離婚をすると収入が減るわけですから,生活は苦しくなります。まして,妻側が主に子育てをしていて十分働いていない場合であれば,公的な援助が一部あるといっても生活が苦しくなる点は大きなところです。

 養育費があるではないかという考えもあるでしょうが,構造上妻の生活費を含めた生活費(婚姻費用と呼ばれるもの)の方が養育費を上回ります。夫側の収入金額如何でこれらの金額は変わり,その金額がある程度あればということになりますが,こうした援助を得ておきたいという考えから,離婚は拒むということは十分あり得るところです。

 こうした点は別居はするけれどもということがあっても,同じようにあり得る話です。

 

 相手が離婚に積極的でない場合に,離婚を切り出しても当然ですが,そう簡単にはうまくいきません。もちろん,お金の面などの条件面などを踏まえて話がつくケースも十分あり得るところです。こうした点がおこるのは,離婚協議→離婚調停→離婚裁判,となると話が長期化しますし,いわゆる性格の不一致だけではいざ離婚裁判といっても,そう簡単には離婚を命じる判決が出ない可能性もあるためです。

 別居をしたとしても,ある程度の別居などの事情がないと夫婦関係が修復できないとはそう簡単には言えないことがあるために,こうした事柄は起こるところになります。ちなみに,不貞・不倫をしてその相手と再婚をしたいという考えの場合には,他のコラムでも触れましたが,ハードルは相当高いものになります。

 

 いずれにしても,このように,離婚を切り出したいと考えた際に相手の態度によっては,問題の長期化や条件面で譲歩することを考えないといけない場合があります。そのほかにも若い世代で離婚を切り出す際に問題となることはありますが,次回に続きます。

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