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養子縁組が無効になる場合とは(その②)?

2016年3月22日 更新 

 だいぶ前ですが,養子縁組が無効になる場合について一般的なことを触れました。幼い子供を養子に迎え入れる場合にも存在しますし,相続が大きく問題になるケースも存在します。今回は,後者について,比較的最近に近い時期の裁判例を挙げて触れてみたいと思います。

 問題になるケースは,高齢で認知症その他の病気などで判断能力が衰えた方が養親とな養子縁組です。養子となる方は,孫であるケースもあれば,特定の子供の配偶者という場合もありえます。全くの第3者という場合も考えられるところです。

 裁判まで至るかはともかく,争ってくる方は他の相続人となりうる子供等の場合が考えられます。今回取り上げるケースでは,養親の成年後見人であったというものですが,相続分に影響する等の事情からシビアな対立が生じる可能性があります。

 問題となったケースでは,養親となる方が認知症その他病気によりコミュニケーションに問題生じかねない状況であったものです。縁組届にある養親の署名欄を本人以外の方が書いていたというものです。縁組をする必要性があったのかどうかを含め大きな争点となっていたようですが,裁判所の判断では,意思疎通や判断を行う事が出来たと言えるかという点が大きく取り上げられています。

 裁判所の判断によると,話す相手によって養子縁組に肯定的であったり,否定的であったりした事情の存在を認めています。この事柄を人によってその人の意にそう回答をするものと捉え,判断能力の衰えを認めています。もちろん,前提として,医療記録等による病状や体の状況をふまえています。そのうえで,養子縁組届の養親の署名欄を本人が書いていないことや本人が代筆をお願いした・後で認めたという事情が存在しないことを取り上げています。

 結論として,こうした事情から縁組をする意思を示したとは言えないと判断しています。

 この裁判例からは,養子縁組をする必要性もさることながら,縁組をする意思を客観的に示したこと・示したと言えるだけの判断能力があったことが重要な意味を持つと考えられます。意思を示したかどうかは,少なくとも本人が署名をしたことが必要でしょうし,判断能力に問題があったのであれば,縁組をする意思を示した記録があった方がいいでしょう。

 次回に続きます。

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