法律のいろは

自転車による交通事故とは?(その④)

2015年9月22日 更新 

 自転車に乗っていた際に起こした交通事故について,最近の道路交通法の改正の話など以前触れました。今回は,車との交通事故では「被害者」と考えられがちの自転車が「加害者」と考えられがちな傾向にあると思われる「歩行者」の方との事故について,触れていきます。

 まず,車やバイクで交通事故を起こして相手に怪我させた場合と自転車で歩行者(相手)を怪我させた場合には一つ大きな違いがあります。それは,自賠責保険を使うことができないという点です。これは,厳密に言えば,自賠法という法律が自転車の事故の場合には適用されないということによるものです。

 そのため,自転車に乗っていた方が「加害者」となった場合に,その方に損害賠償のお金を支払うだけのお金がなかった場合に最低限使うことができる公的な保険はありません。こういった点がありますので,自転車に乗る方には,万が一の場合の交通事故に備えた保険に加入をしておいた方がいいのではないかと筆者は個人的には思うところです。
 それはともかく,そのうえで,車の場合における交通事故等と異なり整備された後遺症の認定手続きもありませんし,相手の過失(不注意)の内容を証明できない限り,損害賠償請求は認められません。

 自転車に乗っていた方と歩行者の方がぶつかるなどの交通事故が起きた際に,それが一方的な自転車運転側の不注意によるものかもしれませんし,歩行者の方にも相応の不注意があるかもしれません。そうした不注意については,過失相殺という考え方のもとに損害賠償の調整が行われます。これは,事故の当事者が事故につながった不注意をしていたのならば,その不注意の程度に応じて損害を負担しようというものです。自転車の場合も事故の態様に応じて,ある程度パターン化されています。

 これは,交通事故の際のこうした過失相殺のパターン化としてある程度通用している本の中に,こうしたパターン化の記載があるものです。詳しくはここでは触れませんが,その中では,自転車と歩行者との事故では,車と歩行者との事故と同じように基本的にはパターンを考えていくという風に記載されています。
 そのため,自転車と歩行者の事故でも車と歩行者と同じように考えていくのが基本と考えていくことになりますが,専ら車道上の事故が想定されている車と同じように自転車には考えられないところがあります。規制も車とは違う面もあります。そのため,単純に同じとは言えない点もあろうと思われます。

 次回に続きます。

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