法律のいろは

DVへの対応・保護命令とは?(その④~DVから避難する際に気を付けたいこと~)

2013年4月15日 更新 

 保護命令の申立ての際、相手に今の居場所・住所が分からないように気を付ける必要があることを以前書きました。

 今回は、その続きで、DVから避難をする際に、気を付けたいことについて触れたいと思います。

 ①どこに避難をするか?

 DVから逃れるために、真っ先に問題となるのが、どこに避難をするかということだと思います。保護命令で退去命令の申立てをするときでも、申立てをすれば、相手方は通常裁判所に呼び出される、審尋という期日が設けられます。そのため、相手方に退去命令の申立てをしたことが分かってしまうので、申立ての前にどこかに避難をしておく必要があります。

 普通は、実家や親せき・知人の家に避難をするのが一般的だと思いますが、そのような避難先がないときは、施設の利用を検討することになります。

 DVからの避難場所としては、公的なものとして、婦人保護施設・母子生活支援施設、その他民間の施設が挙げられます。

 婦人保護施設は都道府県などが設置している施設で、利用する際は婦人相談所が窓口となっています。広島では県子ども家庭センターが窓口となります。

 母子生活支援施設はかつての母子寮です。18歳未満の子とその保護者が入所することができ、子が20歳になるまでは引き続きいることができます。こちらの窓口は福祉事務所となっています。広島市には数か所あるようです。

 その他、NPO法人などが運営するシェルターなどもあります。

 ただ、こういった施設は緊急のとき一時的に利用するもので、施設を出たあとの住まいを確保しなければなりません。公営住宅の場合、優先的に入居できる取扱いもあるので、各市町村などに問い合わせをしてみるとよいでしょう。

②住民票の異動が必要な場合、相手方に知られないようにするには?

 DVから避難するとき、避難場所は相手方に知られないようにしなければなりません。ただ、各種手当や公的な制度を利用するため、住民票を異動させなければならない場合があります。

 DVがあるときは、役所に申し出ることで、相手方(代理人も含む)からの住民票・戸籍の附票などの開示を制限してもらえる制度(「交付制限の支援措置」といいます)ができます。

 もし、住民票を移さなければならないときは、あらかじめ市区町村に相談し、閲覧制限の手続きをとった上で住民票を異動するのがよいといえます。

 この措置がとれるのは1年で、延長が必要なときは期間が終わるまでに延長の申し出をしなければなりません。

 なお、一緒に避難をしている子どもがいる場合は、住民票を異動していなくても、事情を説明することで、住んでいる市町村の学校に通学をすることもできます。

 DVから避難をした場合には、今後の生活をどうするかということも大きな問題になってきます。これについては、また機会を改めて触れたいと思います。

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