法律のいろは

離婚と財産分与(その⑤)

2013年4月23日 更新 

 財産分与で結構問題となるものに家(住宅)があることはこれまでも何度か触れました。以前住宅ローンについて触れたことがありますね。

 家は高い買い物だけに,住宅ローンを組むだけでなく,親御さんに余裕があればお金の援助をしてもらうケースもあるでしょう。夫婦関係がうまくいっているうちも,自分の親がこれだけ援助したという話は出るかもしれません。離婚ということになると,私の方だけが負担ばかりしているという話はよく出てくることだと思います。

 この親からの援助が実際のところ何なのかが結構問題となります。親はお金を貸しただけなのか・贈与(あげた)のかということです。貸したというならば,返していたのか・土地の名義の一部(持分)を親のものとしていたかという事情が必要でしょう。普通は,子どもへの生前贈与ということで援助することが多いからですね。

 間違っても,あとで書類を作って貸したことにしても,貸したことにはなりません。

 贈与であった場合には,贈与を受けた方(夫あるいは妻)の個人財産(特有財産)となります。となると,援助してもらったお金がまるまる自分の財産だと言えるかというとそう簡単には言えません。あくまでも,自分のお金を特に提供して,家を買えるようになったというだけです。あくまで,財産分与すべきは現在ある家だということですね。

 この場合,自分のお金を特に出した点は,家という夫婦で作った財産を築くのに特に貢献したという点で考えることになります。以前,財産分与での清算は50%ずつが基本という話をしました。ここでは,50%よりも多い貢献をしたと考えることになります。

 そうなると,どれだけ貢献したのかということが問題になってきます。普通は家の金額と特に出したお金の比率から考えるように思われます。とはいっても,特に貢献したという話です。そんなに多い金額でないとか・家の金額と比べてかなり小さい場合には,特に貢献したとは言えないとされてしまう可能性があります。

 そもそも,お金の流れや出所がはっきりしないと,相手に争われると反論できないことも出てくるところです。

 財産分与には他にも難しい問題があるので,また触れます。

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