法律のいろは

遺産に属するかの問題(名義預金の扱い・名義不動産などの扱いその①)

2021年1月14日 更新 

 ある財産が遺産に含まれるのかは,被相続人の財産かどうかということで,相続人の間・名義人となる別の方との間・税務当局との間でそれぞれ問題となる可能性のあるものになります。中小企業での名義株・名義は子供となっている土地・預金の名義は子供や孫といったものが代表的なものです。預金であれば金融機関に払い戻しをする際に,金融機関は二重払いリスクを避けるために,法令の手当ては一部存在しますが,実際の預金者(財産を有する方)にしか払わない傾向があるため,こちらも問題となる可能性があります。

 

 

○不動産での取り扱いは?

 不動産では,購入費用をだれが出していたのか・その他の負担や利益をだれが得ていたのかが重要になります。特に購入資金の負担をだれがしていたのかは重要です。裁判例もこちらの要素を重視する傾向にあるようです。負担をした方に利益を与えるという話が根拠になります。預金についても言えますが,資金を贈与していたかどうかが問題になることもありますが,契約書の存在や贈与税の申告等の話も問題となってきます。

 

○預金については?

 現在は預金は基本的には遺産分割が必要とされているために,遺産に含まれるかどうかという話は大きな問題となってきます。預金についてだれが預金者なのかという問題は遺産に該当するのかという以外の場面でも様々問題となるところです。考え方は大きくいって3つあり,ここでは詳細は触れませんが,定期預金については預金の原資をだれが負担したのかが重視されています。あくまでもここでの話は税務当局との間の話ではなく,その他差押えができる財産なのかなど別の場面での判断(金融機関と預金の預け入れ契約をしたのはだれかという問題)になります。

 相続人の間や第3者との間の争いでは遺産に属するかの確認の裁判・金融機関が争う場合には払い戻しの裁判を争うことになります。もちろん,話し合いがつかない場合の話になります。

 

 定期預金については,最初に契約を行い預け入れを行うとその後は期間満了までは原則としてお金の出し入れがない点に特徴があります。最高裁の判断の中には,お金を負担した方の保護を理由に挙げるものがあります。これに対し,払い込まれたお金がどこに行くのか・原子が確定している一部の口座を除き,普通預金は随時お金の出入りがあり,そのお金をだれが負担しているのかは特定できません。その他m,普通預金について預金者がだれになるのかというのは難しい問題ですが,特定のケースごとの判断は存在します。

 

 相続の場面ではなく,普通預金の開設をした会社が倒産危機にある場面でその債権者が相殺を主張した場面でその総裁が有効となるかが問題となったものです。解説をした会社以外の方の預金となると相殺はできませんので,誰が預金者なのかは重要な問題になります。

 問題となったケースは,損害保険の代理店などを営む会社(A)が損害保険会社Bについての代理店業務で預かった保険料を「B代理店A]という名義で普通預金で預けていたというものです。印鑑や通帳はAの側で保管し,お金の出し入れや口座開設はAが行っています。Bには手数料を引いた保険料を送金することになります。口座の利息はAが得ていました。Aはその口座を開設する権限まではBから与えられていませんでした。

 

 通常の普通預金とは異なり,口座開設をした方のお金とは分離して管理されている点やお金が保険料で必ずBの手元に行くという点で特徴があります。

 

 裁判所の判断は2審までと最高裁で異なっていますが,最終的には,Aが預金者であると判断しています。この判断がお金の帰属先=預金者という点を否定するか,預け入れを行った方を預金者とするのかははっきりしていません。お金については管理している方が帰属先というkんが得方が一般であるためです。少なくとも,開設や管理をしていた方かどうかが大きなポイントになるのは間違いないでしょう。個別のお金の出入りがあるので,個別にどなたが負担していたのかを考えるのも難しいことやお金についての管理している方が帰属先という考えからすると,より一層いえるのではないでしょうか。

 いずれにしても,普通預金の預金者がだ誰であるのかという点は難しく完全に判断が固まったとは言えないところがあります。ただし,相続の場面で問題となる親が子供のために開設していた口座については,お金の出所や管理を親(あるいは祖父母)が行っていたことも多いと思われますので,どの考え方をとるにしても,遺産に含まれるとされる可能性は十分ありえます。贈与の有無が申告や契約書であれば,この話に影響を与える点はありますが,ないことも多く,争うことでの見通しや費用・時間・その他の点を踏まえてどうするのかを考えておく必要があります。

 

 課税の場面については次回に触れます。

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