法律のいろは

新型コロナウィルスに関する特別措置法などが成立。改正点のポイントは?

2021年2月17日 更新 

    先日23日に新型コロナウィルスに関する特別措置法(正式には新型インフルエンザ等対策特別措置法)、感染症法、検疫法が成立しました。これらの大半は公布の日から10日経過で施行されることになっています。未だ新型コロナウィルス感染拡大が終息していませんが、改正によりどういった点が代わったのかについて、今回は取り上げます。

 

〇今回の主な改正点は?

 今回の改正は政府や地方自治体での新型コロナ感染拡大防止をより実効的にするためのものです。改正特別措置法で主なものを取り上げますと、以下のようになります。

・緊急事態宣言発令前でも出すことが出来る「まん延防止等重点措置」という措置が新設

・都道府県知事は営業時間の短縮等や施設の使用制限の要請に従わない事業者に「命令」できる場合が設けられた。

・「命令」に従わないケースには過料という行政罰が科されることもありうる。

 その他、今回同時に改正された感染症法では感染者に入院を勧告でき、応じない場合などには、行政罰が科され得る・保健所の調査に正当な理由なく応じず虚偽の申告をしたり、調査を拒否した場合も行政罰が科されうる、といった改正もされています。

 感染症法の改正内容は、広く一般の方にも関係してくる内容ですが、今回は特に事業を行なっている方に関係しそうな部分をピックアップしたいと思います。

 

〇「まん延防止等重点措置」とは?

 今回の改正点のポイントの一つとして挙げられるのが、現在の「緊急事態宣言」以外に新たに「まん延防止等重点措置」が設けられたことです。「まん延防止等重点措置」は,全国規模で新型コロナウィルスが流行した場合に発令される「緊急事態宣言」と違い,都道府県単位、あるいはそれより小さい単位(市区町村)でも「特定の区域」でウィルスがまん延している状態といえれば,発令できる制度として設けられました。これまでは、地域独自の「緊急事態宣言」が発令されるものの、実際には自粛をお願いする程度に留まっていました。今後は「特定の業種」「特定の区域」に限りますが,営業時間の変更要請を行うことが出来るようになります。また住民には営業時間短縮措置が取られている場所への時間外の立ち入り制限を要請できることになりました。もっとも,発令(公示)は首相が行うため,地方自治体で「まん延防止等重点措置」の発令を希望する場合には、国と都道府県との情報連携などがこれまでと同様必要でしょう。

この「まん延防止等重点措置」は最大6か月間行うことが出来るとされています。2月9日現在で,現時点で緊急事態宣言が発令されている愛知県、岐阜県については、近いうちに緊急事態宣言を解除するとともに、この「まん延防止等重点措置」の対象にするとの報道がなされています。

 今後は「緊急事態宣言」は全国的なまん延の場合に発令されるとの位置づけになった分、発令はより抑止的になる可能性があります。その分、新しく設けられた「まん延防止等重点措置」の方が発令されるようになるかもしれません。

 

〇営業時間短縮要請に従わないと即命令されたり罰せられるでしょうか?

 改正点の二つ目のポイントは、前述の通り都道府県知事は営業時間の短縮等や施設の使用制限の要請に従わない事業者に「命令」できる場合が設けられ,「命令」に従わないケースには公表されたり、過料という行政罰を受けうるというものです。

 これまでも都道御府県知事が飲食店などに休業や営業時間短縮を求める場合、緊急事態宣言前から可能な「協力要請」⇒「要請」⇒「指示」という段階を踏んで行ってきていました。都道府県知事はその都度、国と協議をして専門家の意見を聞きながら行っていました。

 今回はそこからさらに正当な理由がないのに応じない事業者などには「命令」できるとすることで、らさらにもう一段階強力な効力が与えられることになりました。ただし、「命令」を出すのにも学識経験者の意見を聞くことが求められており、慎重な判断が必要とされているのに変わりはないため、営業時間短縮要請などに従わないからといって、いきなり命令が出されることは考えにくいところです。

 また、行政罰については、営業時間短縮命令などを拒んだ事業者に、緊急事態宣言が出ている場合は30万円以下、「まん延防止等重点措置」が出ている場合20万円以下で課すこととなりました。当初は刑事罰(違反すると前科となる罰金以上)との話も出ていましたが、結局ウィルスの感染拡大を防止しながら、経済は止めない方向でバランスをとったものといえます。営業時間短縮等については、事業者の方から補償がないのに従えと言われてもという話から、通常営業を続ける事業者の方もおられたところです。今回の改正では、事業者の方に財政上の支援を行う必要性がある点に言及していますが、営業短縮・休業など自粛要請への損失補償的な規定とはなっていません。ただ、自粛要請など直接的な影響を受ける場合以外でも必要があれば財政上の措置を検討するとの内容になっていますので、今後は協力金等の支援も含めた営業時間短縮等の要請となることを期待したいところです。

 

 特に行政罰については、今後どの程度課せられるようになるのか運用を見ていく必要があります。感染拡大を未然に防ぐための予防措置として働くようになるか、今後の状況も見ていくべきでしょう。

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