法律のいろは

スムーズな相続とするには?(その①~「争族」になりやすいケースって?)

2013年5月11日 更新 

 最近、ちまたでは相続・遺言とか、「終活」という言葉をよく聞くようになりました。高齢化社会を反映しての、一つの社会現象的なものでしょうか。

 ただ、確かに相続や遺言に関するご相談は増えてきているかなという印象はあります。遺言の方は何回か別のコラムで詳しく取り上げていますので、今日は相続の話を取り上げてみようと思います。

 相続というと、時々耳にするのが「争族」という言葉です。相続問題で争う家族のことをもじっていう言葉ですが、この「争族」になりやすいパターンというのがあります。

 よくあるのが家族関係が複雑なケースです。

 亡くなった人が何度か結婚、離婚していてその間にそれぞれ複数の子どもがいる場合。この場合は亡くなった人の配偶者と、亡くなった人の連れ子との争いや、配偶者の連れ子と亡くなった人が養子縁組をしていて、実子と養子が争いになるなど、いろんなパターンがありえます。遺言が存在しても,再婚相手と前婚の子供との対立が大きく,前婚の子供に気兼ねをして遺言書作成が行われたケース(遺産や負債の漏れがある場合など)・亡くなる近い時期に突然よくわからない方と養子縁組をしてその方に遺産を渡す遺言をしているケースでは,遺言書が存在しても,その有効性や記載内容の解釈などをめぐってトラブルになる可能性もありえます。

 要は潜在的に、相続が発生すると争いが勃発しやすいケースの典型的なものといえます。また,遺言があることは生前対策として重要ですが,税務面(相続税などを合法的な範囲で抑える)だけでなくトラブルを防ぐ話なのかの着目も必要です。必ずしも遺言の存在だけでトラブルが亡くならないこともあるというところも言えるでしょう。

 

 ここ最近は、夫(妻)を亡くした人が、子どもはいるが大きくなってそれぞれの家庭を持っているから、頼りにくいなどの事情から、再婚をすることも増えてきているようですので、上のようなケースも増加してきているように思います。また、亡くなった人が再婚はしていないが、内縁関係にある人がいたという場合もあります。この場合は、内縁関係にある人には相続権はありませんが、遺贈などあるとそれを巡っての争いになる可能性があります。

  さらに、相続人の間の仲が悪いという場合。意外とあるのがきょうだいの仲が悪く、あとあと相続でもめるケースです。これもケースバイケースではあるのですが、相続人のうち特定の人だけ、学費や結婚資金などの援助を受けていて、他のきょうだいは受けていないか額が少ない、というようにきょうだい間で親からの援助に格差がある場合、もめやすい印象があります。前にも触れましたが、きょうだいのうち親の介護をしていた人がいる場合、親が亡くなったあと、介護をしていたことを金銭的にみた上での取り分を求め、争いになるケースもあります。

  

それから、遺産として、山林とか居宅など不動産しかない場合もどう分けるかでもめることがあります。

  こういったもめやすい下地が既にあるような場合、どうやったらスムーズに相続を進め、「争族」にならないようにするか、を考えることが大事です。

  次回以降、そういった方法としてどんなものがあるかを考えていきたいと思います。

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