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離婚と親権(その⑥)

2013年5月12日 更新 

 ニュース報道を見ていると,離婚した夫婦について子どもの引渡しが認められた場合の実現方法としての直接強制の話が載っていました。内容としては,これまで子どもの通学途中・学校・保育園などで行っていた直接強制では問題が大きいから,自宅で行うようにするという裁判官の話合いがあったというものです。

 直接強制とは,子どもをモノ(土地建物といった不動産以外のモノである動産と扱います)として扱って,執行官という公務員が直接子どもの元へ出向き,子どもを連れて行き,引き渡しを認められた親に連れて行くという方法をここでは差します。つまり,裁判所の判断でモノを引き渡すよう求められた人の元から持って行くのと同様に,子どもの引き離しを行うことになります。

 こうした方法には,子どもの意思を無視してモノと同様に扱う点を違法とする考え方もあるところですが,ここ数年増えてきている方法ではあります。ただし,子どもの意思がしっかりしていない小さな子についてなされることが多いようです。年齢が大きくなると,意思がしっかりしている子どもの意思を無視するところが出てくるので,違法ではないかが問題となりかねません。

 子どもの引渡しに関しては,以前別居中の親同士について触れました。子どもの引渡しが認められた場合の実現方法については,離婚後に子どもの引渡しが認められた場合と基本的には同じとなります。

 直接強制をするかどうかが問題となるのは,子どもを巡る主として親同士の対立が激しい時で,離婚前であれば子どもの親権を巡っての対立が大きい時です。ですから,子どもの引渡しを認める審判(裁判官の判断)が出た後に,子どもの自発的な引き渡しが行われない場合です。

 こうした場合に,直接強制以外の実現方法としては間接強制があります。これは,子どもを引き渡さない日にちなどの期間ごとに,引き渡すべき親に対して,お金を支払うよう命じることです。一種の罰金に近いものと言えるでしょう。ただし,この方法では,子どもの引渡しは実現はされませんし,引き渡しを命じられた方に目立った資産や収入がない場合には,あまり意味を持たないこともあります。

 学校や保育園・通学途中でなく,自宅での子どもの引き離しによって,引き渡しを命じられた親や祖父母などとの押し問答などの不都合がどれだけ減るかは分かりません。今後の成り行きが注目されるところですね。

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