法律のいろは

遺言書の内容を他人に知られたくない場合に使える方法はありますか?

2021年12月28日 更新 

 遺言書を作成したいが、生前は書いてある内容を親族も含めて知られたくないという場合があります。

 そういった場合に利用できるものとして秘密証書遺言があります。

 秘密証書遺言は、遺言書自体は遺言を残そうとする人が自ら作成しますが、自筆証書遺言と違い、自分で書いて作成しなくても良いとされています。パソコンで作成したり、他人に作成してもらっても良いとされています(ただそうなると先の、遺言書の内容を知られたくないという点でどう考えるかということがありますが)。また、作成にあたっては日付の記載も必要ないとされており、方式は比較的自由なものになっています。実際には後述するように公証人に作成した遺言書を提出するため、そのときの日付を記載することによって、遺言能力があるかどうか、作成前後どのような状況であったかの目安と出来るからです。ただ、作成した遺言書には署名・捺印は必要です。

 遺言書を作成したあとは、その遺言書を封筒などの袋に入れて、遺言書作成の際に使った印鑑で封印をします。

 封印した封書を公証人役場に持っていき、公証人と証人2名以上の前で封書の中に入っている書類が自分の遺言書であること、作成者が誰か、氏名、住所、職業、生年月日も伝えます。

 公証人は封筒に証書をいつ公証人役場に提出したが、遺言者が話しをした内容を記載して、遺言書作成者と証人、公証人が署名・押印をします。

 なお、秘密証書遺言は話が出来ない方でも作成できます。

 秘密証書遺言は誰にも見せることなく作成すれば公証人や証人にも内容は分からないですし,遺言者以外の人が開封しない限り検認の手続きまで内容を知られることがありません。また公正証書遺言よりも安く作成できるという点がメリットにはなります。

 ただ、公正証書遺言であっても公証人や証人が内容を知ることがあっても、そこから他に内容が漏れることは普通ありえません。また、最近始まった自筆証書遺言書保管制度の方が遺言書の方式を満たしているかどうかでやや難点はありますが、他人に内容を見られずにすむ、また家庭裁判所の検認手続きが不要という点でメリットが大きいように思います。

 こういったそれぞれ利用した場合のメリット、デメリットを比較してみて、自分にあった形で遺言書作成をするのが良いでしょう。

メールフォームもしくはお電話で、お問い合わせ・相談日時の予約をお願いします

早くから弁護士のサポートを得ることで、解決できることがたくさんあります。後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。誠実に対応させていただきます。