法律のいろは

中小企業の少数株主となった場合にその株式の対応はどうすればいいのでしょうか?

2022年6月6日 更新 

 別のコラムで,少数株主が存在する場合の多数の株式を輸している経営者サイドの話を触れていますが,少数株主の側はどうするのかという問題があります。中小企業等いわゆる上場されていない株式は譲渡する相手先も限られていますので,株式を取得した経緯にもよりますが,何かしら経営に関心も関与もしていない側にとっては対応をどうするか困る存在にもなるところかもしれません。

 役員の選任には過半数の議決権を持っている必要がありますし,他の重要事項には必要な議決権は増えますが,いずれにも関与できない程度の少数株主の場合には会社経営に関与する余地は少なくなります。経営に何かしらかかわる立場の場合には,株主総会の招集や会計帳簿の閲覧請求等を求める権利が存在しますので,これらを活用して現在の経営陣の行動を監視するということはありえます。ただ,少数株主が関心を持っているとされる配当をどうするかは多数派株主がどうするかを決めますので,法律や定款違反があるのかなどのチェックはできますが,少数派株主で株式を持っていることに配当を得るという期待は実際上大きいとは限りません。

 

 他方で相続として持っている限りは相続開始時には当然対象財産として遺産分割や課税の対象となる可能性があります。ここでは上場されていない会社の株式の相続税での評価の意は触れませんが,株主の属性などによって評価が異なる可能性があります。いずれにしても,経営に関心がない場合には配当などがどうなるのかもわからないことから,この財産をそのままにしておくことが意味がないこともあります。逆に,少数株主の扱いや会社運営に関心がある場合には,先ほどの少数株主に認められた権利を活用して是セリなどを求めることになろうかと思われます。

 ここで譲渡を考える場合には,経営陣からの買取に応じるかどなたか関心のある方に譲渡することが考えられます。問題は金額もあるでしょうが,会社等の承認がないと譲渡ができないとの定めが存在する場合には,相手方にも問題が出てきます。ただ,この場合には法律の規定に基づいて会社側やその指定する方(おそらくは経営者サイド)が買い取ることになりますが,この場合の買取額は時価に基づく金額になるかと思われます。こうなると,譲渡制限がなく話し合いがつきそうにない場合には,買取価格も合意によるしかなく相手が強硬である場合には譲渡が難しくなる可能性もありえます。最終的には贈与というのもありえますが,もちろん相手の同意も必要です。株式の集中を図りたい場合と経営陣が考えられる場合には,金額面が問題になるものと思われます。

 金額については合意ができるならばその金額によることになりますが,何かしら手掛かりが欲しいという場合には昔存在したのであれば額面金額あるいは何かしらの基準に基づく時価というものがありえます。注意点は無償による譲渡⇒贈与出なかったとしても,譲渡金額いかんによっては後で贈与税の問題が出てくるという点です。譲渡した側にとっては基本的には贈与税はかからない(譲り受けた側が支払いができない場合には,連帯納付責任という法律で定められた責任はあります)ので気にはなりませんが,相手方がそこも考えての話をしてくるでしょうから,実際それで有益なのかは検討しておいた方がいいでしょう。

 

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