法律のいろは

納骨堂の契約について,生前の契約解除やお金の問題はどうなるのでしょうか?

2022年11月10日 更新 

 昨今墓じまいなどが問題になっています。お一人だけ納骨堂で遺骨を預かってもらう・その他お墓新たに購入しそこに納骨してもらうという場合に,その契約やお金の問題がどうなるのかというのがここでの問題です。契約上は供養については供養してもらうという事務尾行ってもらう・遺骨を置く場所を借りる等の複数の意味合いを持つ契約となります。納骨堂などの運営者が予め規定・約款を作成している場合には法律の規定よりも多くの部分で約款や規定に定められた内容が契約内容になります。申込書・契約書がある場合には,そこに記載された内容が契約内容になりますので,事前に確認が必要です。契約内容は一部事後に無効になるケースもありますが,基本的には例外というところになります。

 お金や契約を解約する場合などよく見ておかないと後で難しい話になることもありえます。特に,当初納骨堂あるいはお墓の永代利用権の購入を行っている場合に,事後その契約を解除できるのか・その際にお金の問題がどうなるのかは注意が必要です。永代利用権の購入が利用権の設定の対価とされており,事後の返還がないと定められている場合には,その金額などにもよりますが,権利金ということで契約解除をしても返還を求めることは難しくなります。そうした定めがない場合はどうなるでしょうか?

 

 生前に納骨堂の利用権の設定を受け,永代供養等をしてもらう契約をしたのちに,契約者自身が契約の解除・解約を行いお金の返金・契約の解約や解除ができるのかどうかが問題になった裁判例があります(東京地裁平成26年5月27日判決LEXDB25519610)。判決文自手の事実認定によると,このケースでは契約の解除やお金の清算の規定が契約あるいは規定上存在しないようです。実際にはお布施の返金も争点とはなっていますが,ここでは省略します。

 このケースでは永代供養という事柄の契約上の意味を資料から判断し,納骨堂の利用に関する契約の解除や清算範囲の判断を行っています。永代供養については資料から申し込みをしたからが亡くなったのちにその供養をしてもらうという契約であると判断し,申込者が亡くなるまでは特にサービス提供を受けていないとしています。つまり,この部分の料金は返金を求められることになります。次に,納骨堂の利用権の契約は王立の解釈からしても特に規定がなければいつでも契約の解約申し入れが可能で,その申し入れ後3か月が経過すると解約になるとしています。賃貸の意味合いが中心となることを前提としています。そのうえで,利用権の設定によるサービスを受けているということを前提に清算すべき範囲について判断をしています。ただ,ここでは申込者側が得た利益や提供されたサービス量等を考慮しての契約解釈となっています。

 あくまでもこのケースでの解釈では申込金を提供されるサービス対価と判断したためこうした判断となっています。利用権設定の対価ということが利用規約で定められていた場合・利用の程度に応じた対価としても相当の期間経過しているということになると,話は変わってくる可能性があります。規約などがない場合の話で合って,規約などが存在する場合にはその内容がどうなのかが意味を持つものと思われます。くどいようですが,事前に確認をしておくことは重要です。

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