法律のいろは

離婚と慰謝料(その②)

2013年5月19日 更新 

 離婚というと必ず慰謝料がもらえるのでしょうか?

 結論は,そんなことはないです。慰謝料は男性が女性に払うものではないかという話も聞きますけど,そんなこともありません。だいぶ以前の投稿で,離婚と慰謝料の話をしましたが,復習をかねて触れておきます。

 離婚で生じる慰謝料とは?

 ①離婚を余儀なくされたことの慰謝料

 ②個別の行為に対する慰謝料

の二つです。

 ②は,不貞行為(不倫・浮気)や激しい暴力などそれ自体が不法行為と評価されることに対する慰謝料です。離婚しようかどうか考える中で,特に問題となる事柄があるかもしれません。そうした行為すべてを問題とできるわけでなく,大きな権利の侵害や違法性があるのではないかとされるものだけが,不法行為と言えるでしょう。いわゆるモラルハラスメントも問題となりうるところです。

 浮気(不倫・不貞行為)については,別なテーマで触れています。

 ①がより典型的な離婚に伴う慰謝料と言えるでしょう。これは,離婚を余儀なくされたことに対する慰謝料ですから,離婚をする主たる原因を作ったほうから支払をすべき慰謝料となります。ですから,性格の不一致が離婚をする理由や動機という場合のように,夫婦双方にある程度(基本は同程度)の責任がある場合には,こうした慰謝料は発生しません。

 ですから,離婚に伴う慰謝料が問題となるケースでは,どちらが離婚の主な原因を作ったのかが問題となってきます。こうした話が正面から問題となるのは,協議離婚や調停離婚よりも離婚裁判であるように思われます。離婚に伴う慰謝料に関する争いが大きい場合には,単に離婚裁判になるだけでなく,お互いが離婚裁判を起こす(離婚の本訴請求に対して,離婚の反訴請求をする)傾向にある等に感じます。

 ただ,こうした場合には離婚裁判の場でお互いの非を暴きあう場になる可能性が十分にあります。

 慰謝料とは,離婚を余儀なくされたことに対する精神的苦痛をお金であがなうことになりますが,そんなに大きな額になることは少ないことにも注意が必要です。そうはいっても,②が問題になるようなケースでは,慰謝料金額がそこそこ大きくなるケースもあります。

 

 離婚とお金の問題では,未成年の子供がいる場合の養育費や財産分与も問題になるところです。これらは,離婚に伴う慰謝料が「痛み分け」で認められないときでも問題とはあります。

 ①について,個別に問題になりうるケースは別に触れたいと思います。

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