法律のいろは

離婚と財産分与(その⑫)

2013年5月30日 更新 

 離婚に関わる財産分与について,これまで財産と負債についてある程度触れてきました。

 繰り返しになりますが,財産分与の中心部分である清算は,プラスの財産を清算することが基本です。このプラスの財産は,夫婦がそれぞれ明らかにしていくことが原則となります。

 

 時々,隠し財産があるのではないかという話を聞くことがあります。夫婦それぞれが財産をすべて明らかにしないことは,可能性としては考えられます。毎月の収入と支出金額と比べ預貯金が非常に少ない点など疑わしい点があれば,相手に開示を求めること自体はできると思われます。ただし,相手が開示しない場合には,具体的に存在がはっきりしない財産を,離婚に関わる財産分与として清算することはできません。

 

 それでは,相手が開示しないと全くお手上げかというと,調査をする方法自体はあります。もちろん,限界はあります。

 その代表例が,

  ①離婚や財産分与に関わる事件を弁護士に依頼した場合の弁護士会照会手続

  ②調停等裁判所を利用した場合の調査嘱託等の手続き

 です。

  ①は,弁護士が依頼を受けた事件について,所属する弁護士会を通じて金融機関などに問い合わせをする手続きです。②は,調停等で裁判所を利用している場合に,裁判所を通じて,金融機関などに調査を行い必要な報告を求めることなどを行う手続きです。

 相手方が,銀行預金や保険などの存在が強く疑われるのに,明らかにしない場合に,こうした手続きを使うことがあります。しかし,限界もあります。金融機関名などが特定されていない場合には,こうした手続きを使うにも,どこへ照会等をかけていいのかが分からないため,使えないという点です。

 

 ですから,夫婦のお金がどのように管理されているのかには,ある程度関心を持っておいた方がいいのかもしれません。

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