法律のいろは

こんな理由で離婚は認められますか?(離婚理由その⑤)

2013年6月1日 更新 

 こんな理由で離婚ができるのかという話はよく伺うところです。何度も繰り返していますが,日本では,本人同士が離婚に同意すれば,離婚は可能です。これは,協議離婚だけでなく,家庭裁判所での調停離婚でも同じです。

 

 配偶者の浪費がひどい,特に夫については働いてくれないことは離婚の理由になるのでしょうか?問題になるのは,話し合いがつかず離婚裁判に至った場合です。こうした場合は,個別の法律上の離婚原因とはならないので,夫婦関係が破綻したといえるかどうかがポイントとなります。

 

 働いてくれない・浪費というのも,期間や金額は人により千差万別です。そもそも,浪費というのもどこまでお金を使えば,浪費と言えるのかもはっきりはしていません。浪費というのは,絶対的な金額という点もありますけど,夫婦の収入や資産と比べて同かという点で変わってくるものです。また,何が浪費というのかは,個人個人の価値観によって左右される面もあります。

 ちなみに,借金を作ったことは離婚の理由になるかどうかという話もよく聞きます。借金の原因も浪費やギャンブルから住宅ローン・教育ローンまで原因は様々です。必要に迫られた借金をしたというだけでは,夫婦関係の破たんの原因とはなりにくいように思われます。

 

 必要な借金というのではなくて,ギャンブルや遊興費など必要ない出費によって借金を作り家計を困窮させたような場合は話が違います。この場合には,法律上の夫婦の協力義務に反し,家庭をかえりみないという悪意の遺棄という法律上の離婚理由に該当することもあります。悪意の遺棄に該当しないといても,家庭を経済的に破たんさせ,夫婦の信頼関係を破壊したと言えれば,夫婦関係が破綻したという判断に近づく可能性が高いでしょう。

 

 もちろん,この程度に至らなくても,他の事情も踏まえると,夫婦の信頼関係が壊れ修復が困難なこともあります。借金の額・目的やお金の使途・使った金額が夫婦の収入に比べて多いか少ないか等がポイントとなるように思われます。家庭をかえりみないとか・信頼関係を壊すという点では,お金を使い借金をした配偶者が他の配偶者の了解を得たかどうかも大きなポイントとなるでしょう。このほか,借金をした期間や配偶者の了解なくお金を借りて使った期間等も重要となってくるでしょう。

 こうした色んな要素から,家庭をかえりみないとか・夫婦の信頼関係を破壊して修復できないようにしたかを考えていくことになります。働かないことがどうなるのかについては,次回に触れてみたいと思います。

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